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有機反応データベース

デス・マーチン酸化 Dess-Martin Oxidation

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アルコール → アルデヒド・ケトン

概要

Dess-Martinペルヨージナン(DMP)を用いるアルコールの酸化。
反応は室温付近で速やかに進行し、第一級アルコールからアルデヒドを得ることができる。立体的に混みあったアルコール、ラセミ化しやすいα位に不斉中心を持つカルボニル化合物、あるいはα,β-不飽和アルデヒドの合成などにも適用可能であり、複雑な合成にも応用されている。

多くの酸・塩基に不安定な基質にも用いることができる。機構上二当量の酢酸が生じるが、ピリジン等を緩衝剤として共存させれば酢酸に対して不安定な化合物にも適用できる。

基本文献

反応機構

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反応例

下記の例を見ても分かるように、官能基受容性がきわめて高い試薬である。それゆえ、天然物合成において相当に多用される。水の添加が効果的な場合もある。

例[1]

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例[2]

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Spongistatin2の合成[3]

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実験手順

試薬は2-iodobenzoic acidから容易に調製できる。原論文の調製法[4]では再現性に問題があったが、触媒量のTsOHを加える改良法[5]により、この問題は解決された。IBXへの酸化では、Oxoneを用いる[6]ことで、比較的安全・簡便に実験を行える。

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反応後の後処理は非常に簡便で、反応混合物をエーテルで希釈後、aq.NaOHあるいはaq.NaHCO3/Na2SO3を加え抽出するか、直接シリカゲルカラムにより分離することが可能である。

実験のコツ・テクニック

ごく最近までその爆発性ゆえに市販は為されていなかったが、改良合成法の開発に伴い、販売が再開された。しかしながら比較的高価な試薬であり、大量に用いる場合には自前で調製する必要がある。後処理時の水をいかに除去するかによって活性が若干異なってくる。
Dess-Martin試薬および合成前駆体(IBX)はヨウ素のhypervalent化合物であることから危険が指摘されており、反応のスケール、取扱には相応の注意を払うべきである。

参考文献

[1] 大学院講義有機化学 II p.174
[2] ファルマシア 1996, 32(9)
[3] Smith, A. B., III et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 196. [abstract]
[4] (a) Dess, D.B.; Martin, J. C. J. Org. Chem. 1983, 48, 4155. (b) idem. J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 7277. doi:10.1021/ja00019a027
(c) Stevenson, P. J.; Treacy, A. B. J. C. S. Perkin Trans. 2 1997, 589.
[5] Irekand, R.E.; Liu, L. J. Org . Chem. 1993, 58, 2899. DOI: 10.1021/jo00062a040
[6] Frigerio, M.; Sntagostino, M.; Sputore, S. J. Org. Chem. 1999, 64, 4537. DOI: 10.1021/jo9824596

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