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仕事の効率をアップさせ
信頼度を高めるビジネスメールのポイントを解説します。

仕事が速くなる
ビジネスメール術

仕事が速くなるビジネスメール術

vol.01

今日から実践してみよう!
仕事が速い人のメールへの向き合い方とは。

仕事が速くなるビジネスメール術

メール処理の仕方にビジネスセンスが表れる

「毎日の仕事はメールのチェックから始まる」という方も多いのではないでしょうか。当たり前の作業だからといって、おろそかにしていませんか? 実は、メールへの向き合い方は、仕事全体の効率と深く関係しているのです。この連載では、仕事の効率をアップさせ、信頼度を高めるビジネスメールのポイントを紹介していきます。

私はこれまで、さまざまな業種、職種、立場、年齢の人たちのメールを1万通以上添削してきました。その中で気づいたのが「メールが速い人=仕事が速い人」ということです。

「メールの処理が速いから、メール以外の業務に時間を割くことができ、仕事がはかどっている」という単純な話ではありません。メールを処理するには、いくつものスキルが必要で、そのスキルはビジネスのさまざまな場面で求められるものばかりなのです。

まずは当然ですが「基本的なパソコンの操作能力」は必要でしょう。こちらの意図を文章で正しく相手に伝えるための「文章力」や「語彙力」は欠かせません。そして、受け取ったメールに書かれていることを読んで、素早く内容を把握する「読解力」も必須の能力。返信を書いたり、メールの内容を上司に報告したりするときには「要約力」が求められます。

さらに「段取り力」がなければ、メールをうまく使って仕事をスピーディーに回していくことはできませんし、メールのやりとりをコミュニケーションの一部と捉えると、相手に対する「気遣い」や「配慮」もあった方がよいでしょう。

つまり、メールの扱いには、ビジネスのエッセンスが詰まっているのです。メール処理の仕方を見れば、その人のビジネスセンスがはっきりと分かります。

「仕事が速い人」が意識している4つの視点

では、実際に「仕事が速い人」は、メール処理をする際に具体的にどのようなことを意識しているのでしょうか。私は主に以下の4つだと考えています。

  1. 主導権を持つ

    「仕事が速い人」は、自ら積極的にコミュニケーションをとり、仕事が先に進むよう先手を打つ、という意識を常に持っています。

    新着メールのアラートに都度反応するのではなく、メールチェックのタイミングは自分でコントロールしています。返信するタイミングも、自分の仕事に合わせた一定のルールを設けています。込み入った内容になってきたら、メールという形に縛られず、すぐに電話に切り替えるなど状況に応じて柔軟に対応します。相手の仕事を停滞させることになるので「要返信」のメールを残して仕事を終えることはありません。

  2. ムダなことを排除する

    本来ならする必要がなかったのに、段取りが悪かったために発生してしまった。そういったムダが生じることで仕事が停滞しないよう「仕事が速い人」は、常に効率を考えています。そのため、メールも処理時間をどれだけ短くできるか、ということを常に意識しています。

    メールの処理時間は、次のように計算することができます。

    メールの処理時間=(メールを読む時間×通数)+(メールを書く時間×通数)

    1日20通のメールを1通あたり1分で読み、10通のメールを1通あたり10分かけて送信している場合、メールの処理時間は「1分×20通+10分×10通=120分(2時間)」となります。この処理時間を減らすためには、いかにムダなことをしないか、が重要です。

    例えば、打ち合わせの打診をしたら、併せて自分の予定を伝えておくことで1往復分のムダを削減することができます。メールのラリーをムダに続けないために、時には返信せずに「受け止める」ことも必要でしょう。相手に内容がきちんと伝わらないと、ムダなキャッチボールが発生してしまうので、分かりやすく伝えることに努力は惜しみません。

  3. 優先順位をつけない

    返信するメールに優先順位をつけず、受信したメールを届いた順番に返していきます。「どの案件を優先させたらいいのか?」「誰のメールを先に返すべき?」「どのメールを後回しにする?」といったことを考えている間にメールを処理していく方が、結果として速く仕事を片付けられる、という考え方なのです。「後で時間ができたらやっておこう」という発想は、単に問題を先送りしているだけに過ぎません。

  4. 相手の思考を先回りして考える

    相手の知りたいことや、相手が抱くだろう疑問を先回りして考え、メールで触れておくことで、ラリーを減らすことができます。例えば、クライアントに対して何か提案をするとします。クライアントは興味を持ったら、予算やスケジュールといった具体的なことについて質問してくるはずです。そういった情報をあらかじめ盛り込んでおくことで、その後の仕事の進行もスムーズに進むというわけです。

円滑な仕事のために、
メール処理で心がけるべき5つのポイント

「仕事が速い人」は、こうした4つのことを意識しつつ、メールを処理する際にさらに心がけている5つのポイントがあります。

まず「このメールは何のために送るのか」という「目的」について考えること。メールの体裁を整えることに必死で、目的が不明瞭なメールを送ってしまうと、相手は何を要求されているのか分からず、伝達がスムーズにいかなくなります。アポを取りたいのか、業務の進め方を相談したいのか、メールを書く前に目的を明確にすることが大切です。

メールの「ビジュアル」も、重要なポイントです。文字がぎっしり詰まっていて、改行もされていないようなメールは、読む気が失せてしまいませんか? そういったメールは後回しにされてしまうでしょう。1行の文字数が適切な長さで、文中に読みやすさを意識したスペースがあるなど、開封した瞬間「読みやすい」と思わせるビジュアルであれば、すぐに読んでもらうことができるはずです。

たいていの仕事は、相手からの回答を得られなければ進めることができないので、仕事を円滑に回すためには、必要な返信を、必要なタイミングで受け取る必要があります。そのため「仕事が速い人」は「返信のしやすさ」を意識したメールを作成しています。

返信のしやすいメールには「言葉」のセンスが欠かせません。件名や本文に「相手の心に刺さる言葉」「相手の心を動かす言葉」を用いることで、返信を促すことができます。ビジネスパーソンとしての品格を保ちつつ、なれなれしくなりすぎない程度に距離を縮める言葉選びが重要です。

そして、メールの「処理時間の削減」も大切です。これはさまざまなアプローチで実現することができるのですが、一例として、返信にかかっている時間を短くするということが挙げられます。簡単な報告や相談への返事、打ち合わせのスケジュール調整であれば、1〜2分を目安にしましょう。とにかく、手元に「ボール」を持たないように「来たらすぐに打ち返す」という心構えを持っておくことが大切なのです。

■「仕事が速い人」が心がけている5つのポイント 「仕事が速い人」が心がけている5つのポイント

「仕事が速い人」はメールを「単なるやりとり」と思わず、あらゆる点に意識を向けることで、仕事全体を円滑に回しているのです。次回からは「仕事が速い人」が実践しているメールのノウハウを具体的に紹介していきます。

PROFILE

平野 友朗
平野 友朗ひらの・ともあき
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て、独立。ビジネスメール教育の第一人者として、研修などでの講演は年間150回以上、テレビや新聞などのメディア出演は1500以上に達する。官公庁や民間企業など、業種や業態、職種を問わず、幅広い年齢層に向けた指導やコンサルティングを行っている。著書は36冊。

記事公開:2023年9月