メールを送る「目的」を確認しよう
どんなビジネスメールでも、“何のために送るのか”という「目的」があります。例えば、上司への相談であれば、事実関係を理解してもらった上で、次のアクションを指示してもらうことが目的となります。仕事の依頼であれば、最終的な目的はその仕事を引き受けてもらうことになるでしょう。
しかし、「メールが苦手だ」と感じている人の多くは、こうした目的を見失い、「メールを早く送らなければ」「メール対応の件数を増やそう」などと、メールを送ることばかりに意識が向いてしまっています。送ることが目的になってしまうと、送られる相手もどうすればいいのか、何を求められているのか分からず、困ってしまうでしょう。
相手にこちらの意図や要望を正しく伝えることができないと、結果的に業務の停滞につながります。仕事が速い人は、それをよく理解しているので、常に目的を意識しながらメールを作成しているのです。
具体例を挙げて考えてみましょう。何かしらの商品を紹介する「イベントのご案内」というメールを送るとします。この場合、目的は「イベントに来場してもらうこと」になるでしょう。
ところが、目的を意識していないと、メールを作成しているうちに、「イベントの開催を通知すること」が目的にすり変わってしまうのです。そうしたメールには一般的な情報しか書かれておらず、「行きたい」と思ってもらえないでしょう。
目的を意識して書かれたメールには、「なぜ、今のタイミングで声をかけたのか」「なぜ、そのイベントを勧めるのか」といった、相手に来場してもらうための動機付けや仕掛けがきちんと盛り込まれています。