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仕事の効率をアップさせ
信頼度を高めるビジネスメールのポイントを解説します。

仕事が速くなる
ビジネスメール術

仕事が速くなるビジネスメール術

vol.03

意図や要望を正しく伝えるために
「目的」を達成するメールの書き方。

仕事が速くなるビジネスメール術

メールを送る「目的」を確認しよう

どんなビジネスメールでも、“何のために送るのか”という「目的」があります。例えば、上司への相談であれば、事実関係を理解してもらった上で、次のアクションを指示してもらうことが目的となります。仕事の依頼であれば、最終的な目的はその仕事を引き受けてもらうことになるでしょう。

しかし、「メールが苦手だ」と感じている人の多くは、こうした目的を見失い、「メールを早く送らなければ」「メール対応の件数を増やそう」などと、メールを送ることばかりに意識が向いてしまっています。送ることが目的になってしまうと、送られる相手もどうすればいいのか、何を求められているのか分からず、困ってしまうでしょう。

相手にこちらの意図や要望を正しく伝えることができないと、結果的に業務の停滞につながります。仕事が速い人は、それをよく理解しているので、常に目的を意識しながらメールを作成しているのです。

具体例を挙げて考えてみましょう。何かしらの商品を紹介する「イベントのご案内」というメールを送るとします。この場合、目的は「イベントに来場してもらうこと」になるでしょう。

ところが、目的を意識していないと、メールを作成しているうちに、「イベントの開催を通知すること」が目的にすり変わってしまうのです。そうしたメールには一般的な情報しか書かれておらず、「行きたい」と思ってもらえないでしょう。

目的を意識して書かれたメールには、「なぜ、今のタイミングで声をかけたのか」「なぜ、そのイベントを勧めるのか」といった、相手に来場してもらうための動機付けや仕掛けがきちんと盛り込まれています。

「6W+3H」を使って伝えたい情報を整理する

それでは、目的を達成するメールの書き方について解説します。まずは、メールに盛り込むべき要素を整理するために、以下の「6W+3H」を洗い出しましょう。

  • Who ……誰が
  • What ……何を
  • Why ……なぜ
  • When ……いつ
  • Where ……どこで
  • Whom ……誰に
  • How to ……どうやって
  • How many ……いくつ
  • How much ……いくらで

洗い出した「6W+3H」を活用して、伝えたい情報を整理します。ただし、すべての要素を盛り込めばよいというわけではありません。「6W+3H」の中から目的の達成に必要な情報を選択することで、メッセージを確実に届けられる上、情報に過不足がないので、相手もすんなりと理解することができるメールになります。

「6W3H」を活用して目的を達成するメールの送り方

では、先ほどの「イベントのご案内」を例に考えてみましょう。このメールには、場所(Where)や日時(When)、予約方法(How to)などの基本的な情報は欠かせないでしょう。しかし、これらの情報だけでは、もともとイベントで紹介する商品に興味がない人には、「行きたい」と思わせることができません。

そこで、ポイントとなるのが「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」の3つのWです。「Who(誰が)」は、メールを送る相手のことで、「相手と自分との関係」や「面識の有無」「年齢」「家族構成」など、把握している情報を振り返ってみます。「Aさんは来店したときに、もう少し値段が安いモデルの商品を探していたな」といった具合です。

すると、次の「What(何を)」は、「Aさんが求めている商品を試すことのできるイベント」となり、「Why(なぜ)」は「Aさんが商品を探していたから、イベントに招待する」となるでしょう。

Aさんに寄り添った「3W」が網羅されていることで、Aさんは「自分のことを覚えていてくれたんだ」とメールに対して好感を持ち、「行ってみようかな」と思ってくれるはずです。

仕事全体を俯瞰する「先まわり」の力がカギ

「イベントのご案内」のメールを送って、「来場してもらう」という目的を達成しても、仕事としてはそれで終わりではありません。その先には「商品に興味を持ってもらう」という目的があり、さらにその先には「商品を買ってもらう」という最終目的があるはずです。

仕事が速い人は、こうした「シナリオ」を頭の中で組み立てて、仕事の全体像を俯瞰しています。これは、「先まわり」の力を持っているからだと言えるでしょう。

先まわりができれば、メール1通送るにしても、送ったメールに相手がどんな反応をするのか、どんなアクションを起こすのかを想像し、どのタイミングでどんなメールを送るべきかを考えることができます。

しかし、シナリオが描けていない人は、「あの件、どうなってる? もう一度メールしておいて」などと上司に言われるまで、アクションを起こせません。こういう人は、相手から返信がないと、すぐに諦めてしまうことが多いです。

返信がないのは、メールをまだ読んでいない、読んだ後に忙しくて返信を忘れている、もしくは相手から返事をもらっているのに自分が見逃しているといった理由かもしれません。そうであれば、こちらが働きかけることで、次のステップにつながります。

シナリオは、仕事を進めるにあたって「地図」のような役割を果たすものです。問題が起きたときに、目的や方向性を再確認するためにも、シナリオを事前に頭の中で描くことを意識してみてください。

そうすることで、最終的な目的も見据えてメールを作成することができるので、相手が間違った理解をして、行き違いやムダなやりとりが生まれることもありません。メールの目的が達成できなかったときも、すぐに挽回するためのフォローに動くことができます。

PROFILE

平野 友朗
平野 友朗ひらの・ともあき
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て、独立。ビジネスメール教育の第一人者として、研修などでの講演は年間150回以上、テレビや新聞などのメディア出演は1500以上に達する。官公庁や民間企業など、業種や業態、職種を問わず、幅広い年齢層に向けた指導やコンサルティングを行っている。著書は36冊。

記事公開:2023年11月