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仕事の効率をアップさせ
信頼度を高めるビジネスメールのポイントを解説します。

仕事が速くなる
ビジネスメール術

仕事が速くなるビジネスメール術

vol.09

仕事の効率は自分次第!
“相手を動かす”メールの一工夫。

仕事が速くなるビジネスメール術

選択肢を提示して返信のハードルを下げる

仕事をスムーズに進めるためには、メールを読んだ相手がすぐに行動に移してくれるかどうかがカギになります。そこで意識してほしいのが、相手が返信しやすいメールを書くということ。なかなか返信が返ってこない場合、相手がどう返信すればよいのか困ってしまうようなメールを、実はこちらが送っていたというケースは少なくありません。

例えば、「新製品についてご意見をお聞かせください」「セミナー会場については、どのように対応すればよいでしょうか」などと漠然とした投げかけでは、どう答えればよいのか分からず相手は困ってしまいます。誠実に答えようとする人ほど悩んでしまい、返信に時間がかかってしまうでしょう。

「開発中の新製品の色について、ご意見をお聞かせください」といったように、質問はできるだけ具体的に伝えることを心がけましょう。

「セミナー会場は、AとBのどちらにすればよいでしょうか」などと、選択肢をあらかじめ示すことも有効です。相手は提示されたものの中から条件に合うものを選ぶだけなので、速く処理することができるでしょう。

同様に、打ち合わせなどの日時を決める際は、「来週はいかがでしょうか」と聞いたり、自分の都合の良い日時を先に知らせたりするなどして範囲を限定すると、相手はそこから選択できるため、やりとりが簡潔に済みます。

心に刺さる言葉選びで相手を動かす

仕事が速い人は相手が快く動いてくれるように、「心に刺さる言葉」を使うことを意識してメールを書いています。

しかし、どんな人の心にも刺さる魔法のフレーズはありません。心に刺さる言葉は人それぞれ異なり、相手との関係性や距離感でも変わってくるため、自分で相手に応じた言葉を探り当てる必要があるのです。

そのためには、まず相手の性格が「感情や志をモチベーションに動く情熱タイプ」なのか、「合理性を求める論理タイプ」なのかを考えてみること。大前提として、相手の心を動かすには「なぜ、あなたにメールを出すのか」という「なぜ」がきちんと書かれている必要があり、この部分の書き方は相手の性格がどちらのタイプかによって変わってくるからです。

例えば、営業担当者が面識のあるお客さまに面会を依頼するメールを送るという場合。相手が「情熱タイプ」であれば、「あなたにしか頼めません」「あなただからお願いします」など、感情や情熱に訴えかける言葉が効果的です。

一方、「論理タイプ」の人には「こういう機能で、成果の出るサービスがあるので紹介させてほしい」「こういう点で困っているので協力を依頼したい」といった「なぜ」の部分をロジカルに説明すると心に響きます。

「情熱タイプ」と「論理タイプ」に刺さるメールの違い

相手のタイプを見極めて、それに合った言葉で「なぜ」を書くことで、相手が行動してくれる確率はグッと上がるのです。

相手の心に寄り添う一言が、効率アップのカギ

確実に返信を受け取るためには、相手の心に寄り添うコミュニケーションをとることも大切です。自分の感情を理解してくれる人に対しては、誰しも丁寧に接しようとするものです。さらには、「できるだけ協力しよう」とすら思うでしょう。

例えば、取引先から「制作スケジュールについて、何かあったときを想定すると不安があります。納品までに2~3日ゆとりを持たせられないでしょうか」というメールが来たとします。その場合、単に「承知いたしました。再調整いたします」と返信しても問題はありません。

しかし、相手の不安だという気持ちに寄り添い、「制作スケジュールを精査していただきありがとうございます。私もその点については少し心配です。関係者と再調整して、明後日までにはご連絡いたします」とすれば、よりよい印象を与えることができるはずです。

まずは、意識的に「お礼を述べる」「感謝の気持ちを伝える」ということから始めてみるとよいでしょう。期限より早く返信が返ってきたら「スピーディーなレスポンスをありがとうございます」、頼んだ仕事を予想以上に早く終わらせてくれたら「迅速にご対応いただき助かります。ありがとうございました」といったように、すぐに行動してくれた事実に感謝します。

そうすれば、相手は自分の対応が喜ばれたと感じ、次からも前倒しで仕事を進めてくれるようになるかもしれません。そうなれば、結果的に自分の仕事を速く進めることができます。

わざわざ相手の感情を受け止め、承認・共感を示す一言を添えるのは効率が悪いように思えるかもしれません。しかし、相手の感情に対しておざなりな対応をして機嫌を損ねてしまうと、少なからず仕事にブレーキがかかってしまうでしょう。相手に寄り添った言葉を添えることは、仕事を効率的に進めることにつながるのです。

PROFILE

平野 友朗
平野 友朗ひらの・ともあき
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て、独立。ビジネスメール教育の第一人者として、研修などでの講演は年間150回以上、テレビや新聞などのメディア出演は1500以上に達する。官公庁や民間企業など、業種や業態、職種を問わず、幅広い年齢層に向けた指導やコンサルティングを行っている。著書は37冊。

記事公開:2024年6月