人は自分で考えたことを全うしようとする
会社でのポジションが上がるにつれ、何をするにしても毎回指示を求める依存体質の部下や、やる気はあるものの要領が悪く的外れな行動をする部下と接する機会も増えてくることでしょう。Vol.1でもお伝えしたように、コーチングとは話を聞くことによって相手に気付きを与え、自発性を高める技術です。しかし、そうした人を相手にすると、話を聞いているのが歯がゆくなり、つい指示やアドバイスを与えたくなるもの。その方が手っ取り早く効率的だと考えがちですが、安易にアドバイスしてしまうことは、長い目で見ると得策ではありません。
コーチングにおいて重要なポイントの一つは、相手に当事者意識を持たせること。人は、他人に言われたことより、自分で考えて導き出したことの方を、責任を持って全うしようとします。効率性だけを考え、すぐにアドバイスをしていると、「言われたからやる」「間違っていても上司が正してくれる」という考えが部下に染みつき、いつまでたっても主体性が身に付きません。そこで今回は、コーチングの手法を活かしたアドバイスの仕方について紹介します。