なぜ人は後ろの席に座りたがるのか?
セミナーや講演会は、企業にとって重要なプロモーション活動のひとつです。この記事をお読みの方々の中にも、セミナーの運営にかかわった経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
セミナーを開催するうえでの大きな悩みどころは、「いかに人を集めるか?」ということでしょう。その点、いまはSNSという頼もしい道具があります。より広く告知を打てるだけでなく、参加希望人数をリアルタイムに把握できるため、状況に応じて「まだ席に余裕があります!」とか「残りわずか! お急ぎください」などと集客を促すこともできます。
それでも無料のセミナーや講演会は、当日にならないと席が埋まるかどうかわかりません。お金を払う有料セミナーなら申し込みをした人は是が非でも参加しようということになりますが、無料だと、お客さまの都合でいとも簡単にキャンセルされてしまうからです。
100人の参加希望があったのに、フタを空けてみると70人しか集まらなかったといったことはよくあるものです。空席が目立つと、会場の雰囲気はどうしても締まらなくなってしまいます。これでは講師のモチベーションも上がりません。
せめて前方の席に固まって座ってくれれば、参加者と講師の距離が縮まり、多少なりとも場の雰囲気が盛り上がるはずですが、どうしてもバラバラに座られてしまいます。「席に余裕があるのなら、好きな場所に座って話を聞きたい」と思うのが人間心理だからです。
熱心に話を聞きたい人は前に座るかもしれませんが、左右の人に邪魔されずゆっくり話を聞きたいと思う人は、余裕のある後ろの席に座りたがります。「なるべく前に座ってください」と誘導をかけると、ますます前の席が混雑するので、逆効果になりかねません。
そんなとき、座席の「分け方」を工夫することで、前の方に参加者を誘導する効果的な方法があります。