人に任せることで、よりレベルの高い仕事に時間を割ける!
オフィスで働く人ならたいてい、新人時代を経て職位が上がってくると、マネジメント業務などにも携わることになり、仕事が増えるものです。経験を積んでいる分、手際もよくなり仕事は早くなるのですが、ほかにやるべきタスクもまた増えてきます。
ビジネスパーソンとして、こうした段階で覚えるべきなのが、「仕事を人に任せる」という行為です。
手際は悪くないのに、「いつまでたっても仕事が終わらない」と嘆いている人の多くは、仕事を別の人に任せる行為ができていないからです。
- 職場に新しいメンバーが入ってきて人手があるのに、任せられない。
- 担当替えとなり、仕事を譲らなければならないのに、手放そうとしない。
こうした行動を取る人が、いつまでも仕事に追われ続けるのは当然です。
ところで、こういう人は、なぜかたくなに仕事を任せようとしないのでしょうか?
それは、「自分でした方が早い」と思い込んでいるからです。
確かに、仕事を誰かに任せるには、まずやり方を教えなければなりません。任せる相手が新人であれば、こちらが手本を見せるところから始めて、理解したら本人がやってみる、という手順が必要になるでしょう。
仕事にかかる時間という点では、自分がまずやって、教える相手がそれをなぞるのは、明らかに二度手間です。一度やってみただけではできない場合は、何度か繰り返す必要さえ生じます。さらに、相手に教える準備として、仕事を整理したり、マニュアルを作ったりと、ますます手間と時間がかかってしまいます。
そういうわけで、「自分でした方が早い」と考えるようになるのです。
しかし、仕事を譲らない限り、自分の仕事が減るわけではありません。人に仕事を教える際に一時的な手間は増えますが、長期的な視点で捉えてみると、仕事を手放したことで確実に自分の時間が生まれ、1カ月先、3カ月先には、よりレベルの高い仕事ができるようになるでしょう。
ですから、仕事を教えるためにかかる手間と時間は、近い将来の自分自身に対する「投資」と割り切り、いつまでも仕事を抱えていないで、人に任せるための行動に移すべきなのです。
誰かに任せることも、大切な選択肢の一つです。「自分でした方が早い」という思い込みこそ、「時短の敵」と肝に銘じて、仕事を人に任せましょう。