話のポイントが見えないと相手は耳を傾けなくなる
「説明力」は、顧客への営業や、上司へのプレゼンテーションを日常的に行っているビジネスパーソンにとって必須のスキルです。ところが、「一生懸命説明しているのに、まったく聞いてもらえない」とか、「何をどう説明したらいいのか、分からない」と悩んでいる方が、意外に少なくありません。
この連載では、そうした方々のために、どうすれば「聞いてもらえる説明」「分かってもらえる説明」ができるのかについて、実践的な活用例を交えながら解説します。
加えて、ただ聞いてもらう、分かってもらうだけでなく、説明によって相手の「行動変化」を促し、変化した行動を「持続させる」ための方法についても紹介していきます。
こうした「説明のコツ」は、営業の方ならお客さまに商品やサービスを「買ってもらい」「買い続けてもらう」ことに、人事の方なら従業員に「学んでもらい」「学び続けてもらう」ことに役立つはずです。もちろん、ほかにもさまざまなビジネスシーンで活用できますので、ぜひ試してみてください。
この連載で解説する「聞いてもらえる説明」「分かってもらえる説明」とは、言い換えれば、「相手に伝わりやすい説明」です。
相手に伝わりにくい説明、例えば「何を言っているのか、分からない」「話のポイントが見えない」ような説明を受けると、人はそれ以上耳を傾けようと思いづらくなるものです。場合によっては、そんな説明を延々と聞かされるのは「時間の無駄」だと受け取られてしまい、説明する人への評価も下がってしまいかねません。
一方で、説明する人にとっても、時間をかけて説明してもなかなか理解してもらえないのでは、コストパフォーマンスがよくありません。その上、ポイントをつかんでもらえず、言いたいことを誤解されてしまったら、大きな損失につながる恐れもあります。
つまり、「伝わりにくい説明」はコストやリスクを増大させかねないのです。