本コンテンツは、お客さまがご利用のOSまたはブラウザーへ対応しておりません。
最新のOS、ブラウザーにアップデートしてください。

Hello AI

人工知能(AI)に関するさまざまな情報をご紹介します。

vol.4 AI研究の先端施設が丸の内に出現した理由

コワーキングスペースでの次世代AI技術開発

世界中の大都市で拠点を増やしているニューヨーク発のコミュニティ型ワークスペース「WeWork(ウィーワーク)」。日本で2番目の拠点となったのが、東京・大手町のビジネス街の中心である丸の内北口ビルディングです。多くの大企業、起業家、ベンチャー企業が集まる場でありながらも、カジュアルなカフェのような雰囲気のラウンジや洗練されたワークスペースは、これまでのオフィスのイメージとは少し異なっています。

そして、富士フイルムが次世代AI技術の開発拠点として設立した「Brain(s)」も、このWeWork内に設置しました。自社が持つ研究開発拠点とは別に、新たなビジネス拠点としてコミュニティ型ワークスペースを選んだのには、いくつかの理由があります。

まずは、アカデミアなど外部の方々との交流のしやすさです。新幹線の起点である東京駅から徒歩3分の場所にあり、東京メトロ大手町駅とも直結。2018年7月に当社との連携センターを設置した国立研究開発法人理化学研究所(以下理研)の革新知能統合研究センター(理研AIP)は、徒歩10分圏内です。

さらに、富士フイルムとの「社会連携講座」を行っている東京大学大学院情報理工学系研究科がある本郷や、富士フイルムの東京ミッドタウン本社(六本木)は4km圏内に。AI研究開発に関わる人材が気軽に対面でディスカッションできる環境が整いました。

「次世代のAI研究開発にはアカデミアとの連携が欠かせません。今後Brain(s)では、富士フイルムが持つ医療用診断画像や診断レポートなどの情報と、アカデミアが持つ自然言語処理やマルチモーダルAIなどの基礎技術を組み合わせ、世界最高水準のディープラーニングマシンを用いてより高度な社会課題を解決するためのAI技術開発を加速していきます」(Brain(s)の戦略・企画を担う加來俊彦)

次に富士フイルムが着目したのが、コミュニティネットワーク機能です。「WeWork」は、単なるシェアオフィスとは異なり、先進的な考えを持った個人や企業が集まることで互いに共鳴し、イベントなどを通じてネットワークが広まっていくのが特長です。

「Brain(s)には、研究者が過ごす開発スペースに隣接し、外部の方々とコミュニケーションがとれる『オープンイノベーションエリア』があります。AIが実装された富士フイルムの製品・サービスを展示していて、AIやIoTを活用したビジネスを模索する企業と語り合いながら、互いのアイデアを生み出すのに適した空間になっています」(加來)

この「オープンイノベーションエリア」には、富士フイルムの強みである画像解析システムや高機能材料といった製品・サービスを基に、ユーザーへより大きな価値を提供できるよう、アイデアを出し合い、社外の技術も導入することで、社会に役立つ新たなサービスを開発する狙いがあります。

そして、富士フイルムが丸の内を選んだもう1つの理由は、人材育成の場として適しているためです。富士フイルムでは新たな取り組みとして「FUJIFILM AIアカデミー」を開講し、社内外の若手人材が、著名な研究者との交流を通じて最先端のAI/ICT技術を学べる機会を設けています。


AI/ICT人材の育成の拠点となるBrain(s)

Brain(s)では開設後より、大学生・大学院生を対象としたインターンシップや体験型ハッカソンイベント、アカデミアのトップ研究者の講演などを開催しています。さらに富士フイルムグループ社員に対しても、最先端のAI/ICT技術を学ぶ機会を提供すると同時に、「AI/ICT技術認定制度」を導入し、社内のAI/ICT人材のスキルアップを図っています。

「蓄積された良質なデータを基に、AIによって新たなビジネス価値を生み出し続けていくためには、先端AI技術の獲得に加え、社内外と連携したデータ収集力の向上、そしてIT/ICT人材を育成していくことが必要です。Brain(s)は、まさにこれらの課題を解決するための場所なのです」(加來)

富士フイルムのAIへの取り組みをご紹介してきた本連載「Hello AI」は次回で最終回となります。21世紀を通じて変革し続ける「NEVER STOP」のメッセージに込められた意味とAIのこれからについて紹介します。

記事公開:2019年4月