都会の繁華街で店舗を増やした
カレーチェーン店の“秘策”
居酒屋やファストフードといった外食チェーンにとっては、メニューの良し悪しはもちろん、客に来てもらいやすい店舗立地を確保できるかどうかが、売り上げを伸ばすための重要なポイントです。
しかし、好立地の物件は、すでにほかのチェーン店に押さえられていることが多く、店舗賃料も高いのが一般的。さんざん探し回ってようやくいい物件を見つけたのに、賃料が高すぎて採算が合わないということが珍しくありません。人気が高い都会の繁華街などであれば、なおさら物件探しは難しいものです。
ところが、そんな課題を逆転の発想で見事にクリアし、都会の繁華街で店舗を次々と増やしながらビジネスを拡大しているカレーチェーン店があります。さて、この会社はどうやって店舗を確保することができたのでしょうか?
その答えは、「昼間は営業していない居酒屋の店舗を借りる」です。
居酒屋は基本的に夜だけ営業するので、昼間は店舗がまるごと空いています。そこでこの会社は、居酒屋に賃料を支払って昼間の店舗を借り、ランチタイム限定でカレー店を営業するというビジネスを思いついたのです。
これなら物件探しは簡単ですし、賃料も安上がりで済みます。居酒屋にとっても、空いていた昼間の店舗を貸し出すことで賃料が入るだけでなく、昼間の利用客が夜に来店してくれるといった宣伝効果も期待できるのですから願ってもないことです。
しかも、居酒屋には厨房設備が整っているので、ほかの場所であらかじめ時間をかけて煮込んだカレーを鍋ごと持ち込んで温めれば、簡単に提供できます。オペレーション面でも非常に合理的なのです。