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知っておきたい
医療のはなし

vol.4

女性の9人に1人が乳がんに!?
マンモグラフィと乳房超音波検査の違いとは。

日本人の女性の9人に1人がかかるとされる乳がん。
女性がかかるがんの中で最も多いがんであり、罹患数・死亡数ともに
増加傾向です。一方、乳がんは早期発見できれば適切な治療により
予後がよいといわれています。大切なのは、検診を受けること。
そこで、今回は乳がんの早期発見に欠かせない「マンモグラフィ
(乳房X線撮影)」と「乳房超音波(エコー)検査」について、解説します。

早期発見がカギ!
乳がん検診の現状とは

乳がんは現在、日本人女性のかかるがんでは最も罹患者数が多いがんです。罹患数は増え続けており、最新統計では国内で年約9万4,000人(2018年)となっています。これは、日本人女性の9人に1人が、生涯のうちに一度は罹患する計算になります。

死亡数も2005年に年1万人を超えて以降、2015年頃からは年1万4,000人前後と、近年は微増ながらもほぼ横ばい傾向が続いています。女性の全がんの中で乳がんによる死亡数の順位は第4位(2020年)です。死亡率も上昇し続けており、2015年頃に20%を超え、2020年には23.1%となっています(厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より)。

■女性の部位別がん罹患数と死亡数

【出典】国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)(厚生労働省人口動態統計)より作図

乳がんは他のがんに比べて比較的若い世代でも発症しやすく、罹患率は30代後半から急増するのが特徴です。最も多いのは40代後半から60代までで、それ以降はやや下がる傾向にあります。

■女性の乳がんの罹患数と死亡数の推移、年齢階級別乳がん罹患率

【出典】国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))および厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より作図

乳がんに罹患した場合、5年後に生存している割合(5年相対生存率)をステージ(進行度)別にみると、I期99.8%、II期95.5%、III期80.7%となっています(国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計」。2013-2014年5年生存率より)。つまり、できるだけI・II期の早期がんのうちに発見し、適切な治療ができれば、予後がよいといえます。また、がんが早期であるほど、乳房を温存できる治療法を選べる可能性も高くなります。

このように、乳がんはなるべく早期の段階で発見することが大切です。そのために重要なのは、やはり定期的に検診を受けること。乳がん検診には、視触診、マンモグラフィ(乳房X線撮影)、乳房超音波(エコー)検査といった検査方法があります。

このうち、マンモグラフィは小さな乳がんや、乳がんの兆候である微細な石灰化(乳腺の中にカルシウムが沈着した状態)までも見つけることができる早期発見に適した検査で、40歳以上の女性に推奨されています。乳がんは30代後半から罹患率が上がるため、2006年度からは「40歳以上の女性に対し、2年に1回、視触診およびマンモグラフィ併用検診を行う」ことが厚生労働省の指針として示されました。

何がどう違う?
マンモグラフィと乳房超音波検査

乳がん検診で用いられる「マンモグラフィ」と「乳房超音波検査」。それぞれの検査には、検出するのを得意とする病状に違いがあります。マンモグラフィは早期発見に役立つ検査ですが、受診者の年齢や個々の状態により、乳房超音波検査が適しているケースもあります。以下、それぞれの検査の違いについて説明します。


マンモグラフィ
マンモグラフィは乳房専用のX線撮影による検査です。広範囲を観察可能なのが特徴で、病変の位置や広がりを調べることが得意です。触診では発見できないごく小さなしこりや乳がんの兆候である微細な石灰化を発見することができます。ただし、画像の性質上、高濃度乳房の場合は白く見える部分が多くなり、病変が存在していても見つかりにくいことがあります。

検査方法としては、乳腺を読影しやすいように、そして、乳房の厚みが薄いほど被ばくX線量が少なく済むため、2枚の板の間に左右の乳房を片方ずつ、できるだけ薄く挟んで固定します。乳房を圧迫しながら通常は2方向から撮影します。X線による被ばく量もごくわずかであり、自然界から受ける放射線量と比べても決して多くはありません。

乳がん予防の観点から推奨されているマンモグラフィの検査頻度は2年に1回です。高濃度乳房の割合が少ない40歳以上の女性では、マンモグラフィによる検診で死亡率減少効果を示すことが科学的に証明されています。

乳房超音波検査
一方、乳房超音波検査は、超音波を発生する器械(プローブ)を乳房の表面にあてて、反射波を画像にし、モニターで確認する検査です。これにより、乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移の有無も調べることができます。

超音波検査では、乳腺は白く、多くの乳がんは黒く写るため、高濃度乳房の場合にも乳がんを発見できる可能性があります。放射線による被ばくの心配もないため、妊娠中でも検査が可能です。触診では判別しづらいしこりを発見することができるのもメリットです。


今後も医療分野の検査機器のデジタル化の進展により、さらなる高画質化やAIを使った画像診断、画像処理技術も向上していくでしょう。それらによって、乳がんの早期発見、早期治療における正診率の向上や検診の効率化、医療者の負担の軽減のほか、受診者へのさらなる被ばく線量の低減なども期待されています。乳がんに対する検査の効果や意義は今後ますます高まっていくことが予想されます。まずは積極的に受診することが何よりも大事だと言えるでしょう。

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記事公開 2022年7月