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今、世界中で注目されている印刷方法
「水性フレキソ印刷」とは?

新聞、雑誌からポスターやパッケージまで、
わたしたちの生活に密着した身近な技術である印刷。
今回は欧米をはじめ日本でも注目を集めている
印刷技術「水性フレキソ印刷」について紹介します。

自然環境を守るため、今求められる新しい印刷技術

地球温暖化や環境汚染が叫ばれて久しい昨今、さまざまな分野で自然環境や人体への影響に配慮した製品、製造方法などが注目を集めています。

印刷技術も例外ではありません。現在主流となっている「オフセット印刷」や「グラビア印刷」は、人体、自然環境に影響を及ぼすVOC(揮発性有機溶剤)がインキに使用されています。また、乾燥させる時に多くのエネルギーを要し、大量のCO2が排出されることが指摘されています。

そこで注目されているのが「水性フレキソ印刷」です。日本での普及はまだまだですが、欧米を中心に既存の印刷技術からの置き換えが行われ普及が進んでいます。

「水性フレキソ印刷」ってどんな技術?

「オフセット印刷」「グラビア印刷」などさまざまな印刷方式の名前を耳にしますが、詳しい仕組みについてはあまり知られていません。そもそも、印刷方式にはどういったものがあるのでしょうか。印刷は判子の役割を担う「版」の種類によって以下の4つの方式に分類されます。

・凸版印刷
15世紀末にドイツのグーテンベルクにより発明された活版印刷がベースの印刷方式で、版の凸部にインキを付けて転写します。インキの種類を問わないのが特徴のひとつです。
・平版印刷
18世紀末にドイツのゼネフェルターが発明した石版(リトグラフ)がベースとなった、水と油性のインキを平面の版に付けて印刷する方式です。印刷の再現性が高く、現在商業印刷で主に使われているオフセット印刷がこれにあたります。
・凹版印刷
15世紀末、銅に手描きで版を作成した技術がベースの印刷方法です。版面のくぼんだ部分にインキを付けて印刷します。版の耐久性が高く、同じ図柄での大量印刷が得意。お札の印刷にも用いられています。グラビア印刷がこれにあたります。
・孔版印刷
19世紀にパーキンが発明した比較的新しい印刷技術です。厚紙や布を使ったスクリーンにインキを通す部分と通さない部分を作って版とし、それにインキを浸透させることで文字や絵を印刷します。謄写版やシルクスクリーン印刷がこれにあたります。
印刷の種類
出典:経済産業省「平成17年度 化学物質排出量等管理マニュアル」より作図

「フレキソ印刷」は、このうち凸版印刷に分類されます。版の素材に樹脂板やゴム板などを使っているため、凹凸のあるダンボール、布、フィルムや伸縮性のある物にも印刷できるのが特徴です。
また、「フレキソ印刷」のなかでも水性インキを使用しているものを「水性フレキソ印刷」と呼びます。

水性フレキソ印刷の3つのメリット

水性フレキソ印刷は、現在主流となっているグラビア印刷、オフセット印刷と比較した時、3つの大きなメリットがあります。

・安全性
有機溶剤の含有量がゼロに近い水性インキを使用しているため、赤ちゃんや子ども向け製品にも安心して利用できます。また、嫌なインキ臭もないことから、医薬品や食品パッケージにも盛んに利用されています。
・環境への対応
油性インキは乾いて蒸発する際にVOC(揮発性有機溶剤)を大気中に排出しますが、水性インキにはその心配がありません。また、インキの使用量も少なくてすむため、乾燥にかかるエネルギーも少なくCO2削減にも効果的です。
・多品種小ロット対応
段ボールからフィルムまでさまざまな材質、厚みのあるものへの印刷が可能です。また、水性インキは乾燥するのがとても早く、印刷後の工程が短時間で済むため、多品種・小ロット印刷に適しています。

従来の印刷方式にも負けないクオリティー

このようにメリットの多い水性フレキソ印刷は欧米諸国で積極的に採用されています。特にヨーロッパのフレキソ印刷市場は、年4~8%前後の成長を続けているとされています。

では、日本ではどうでしょう。平成30年の経済産業省による印刷方式別生産金額の割合を見てみると、オフセット印刷が67%、グラビア印刷が18%と、2方式で全体の85%近くを占め、フレキソ印刷の割合はわずか0.8%にすぎず、導入は進んでいません。

機材やシステムの環境整備が遅れているのが大きな理由ですが、従来のオフセット印刷やグラビア印刷に比べて品質的に劣るというイメージが根強く残っているという指摘もあります。

とはいえ近年の技術の向上は著しく、オフセット印刷にも引けを取らない鮮明な印刷が可能になってきており、近い将来このようなイメージも次第になくなっていくでしょう。

実際、印刷業界全体のなかでも、フレキソ印刷の市場規模は年々微増しています。今後ますますメリットが注目され、水性フレキソ印刷のシェアも伸びていくことが予想されます。

印刷方式別生産金額内訳
出典:平成30年(2018) 経済産業省生産動態統計年報より作図

「水性フレキソ印刷」を支援する富士フイルムの製品・技術

  1. GRANPACS(グランパックス)
    「水性フレキソ」を核とする環境配慮型パッケージプリント・トータルソリューション
    GRANPACS

記事公開:2019年8月