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あなたの会社は大丈夫?
DXへの壁、「データのサイロ化」とは。

国全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)の
推進が急務になっているなか、「データのサイロ化」という
キーワードが注目されています。これは、大多数の日本企業に
とっての落とし穴といえる問題かもしれません。
目まぐるしく社会が変貌していくなかでの大きな課題となる
「データのサイロ化」とは、どのようなものなのでしょうか。

「データのサイロ化」は、
企業の成長に立ちふさがる大きな障害

「データのサイロ化」とは、簡単にいうと組織の内部でデジタルデータが分散して保管され、有効活用されていないことを指します。日本企業は縦割り組織であることが多く、部門ごとにIT化やデータ管理を進め、それぞれが独自のアプリケーションやデータ形式で自己完結するシステムを構築してきました。その結果、データの連携が取れないことが問題視されるようになってきたのです。

サイロとは、農村地帯で農産物や家畜の飼料を大量に保管する、背の高い建物のことです。内部は気密性が高く、トウモロコシ、小麦、牧草など、サイロごとに保管するものは決まっていて、それ以外の用途に使うことはほとんどありません。

「データのサイロ化」においても、各部門は自己完結の閉じたシステムを持ち、実際のサイロのように決まったデータだけを集め、ほかの部門がほかの用途に活用することはありません。
企業活動に関するあらゆるデータを統合してビッグデータを形成し、そこからAI分析などで導き出される結果をビジネスに生かすのが、これからの企業の戦い方だといわれています。コストをかけて取得したデジタルデータの価値を最大化することが求められる今、「データのサイロ化」は、企業の成長に立ちふさがる大きな障害といえるでしょう。

「データのサイロ化」で失われる
ビジネスでの貴重な機会とは

では「データのサイロ化」は、企業にどのような悪影響を引き起こすのでしょうか。さまざまな側面での問題を考えていきましょう。

1. データ管理コストの無駄と機会の喪失
デジタルデータの取得と管理にはそれなりのコストが生じます。「データのサイロ化」が起きている企業では、「ふたを開けてみたら複数の部門で同じデータを管理していた」といった、コストの無駄が生じていることが少なくありません。またシナジーを生む貴重なデータの存在に気づかないまま放置することは、ビジネスチャンスを失うことにつながります。
2. 全社的な業務効率化に時間がかかる
各部門が独自に構築した業務システムが自己完結的に稼働している状況では、全社的な業務効率化を進める際に、現行システムの解析や部門間の調整、オペレーションの変更に時間がかかります。
3. 意思決定スピードの鈍化
企業が意思決定をする際、データは重要な役割を持ちます。しかし「データのサイロ化」が起きていると、どの部門がどんなデータを管理しているのか把握することから始めなくてはなりません。データ収集と分析に時間がかかるだけでなく、収集や利用の目的が異なる部門ごとの寄せ集めのデータでは、正しい解釈や分析が難しくなってしまいます。
4. 最新のデータソリューションを活用できない
「データのサイロ化」で各部門にバラバラにデータが存在している状況では、AIによる機械学習やIoTから収集したデータ解析など、最新技術を使ったデータソリューションを活用することが困難になります。
5. 顧客とのつながりを強化できない
企業が管理するデータには、顧客に関するものも非常に多くなっています。カスタマーエクスペリエンス(CX)やカスタマーエンゲージメント(CE)を通じた顧客とのコミュニケーションには、統合データの分析が不可欠です。
6. 企業文化への悪影響とリスクの増大
「データのサイロ化」を放置しておくことは、縦割りの組織が強化されることにつながります。自部門がスムーズに業務をこなすことを第一とし、ほかの部門の業務に関心を持たず協力もしない姿勢は、組織としてまとまりにくい文化の一因です。特にリモートワークが急速に普及している今、個々人の間でもデータ、情報共有の不全がより起きやすくなっています。すでにあるサイロ化を急ぎ解消しておかないと、社内の断絶が一気に進んでしまう恐れもあります。また、個人情報や機密情報といった重要なデータについて全社的な管理が十分にできなければ、情報漏えいやデータ消失などのリスクも増大します。

世はビッグデータ時代!
サイロ化の解消は、新たなチャンスを切り開く

経済産業省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を公開し、政府はDX推進に大きくかじを切りました。これにより多くの企業が自社のDX推進を模索していますが、「データのサイロ化」はDXを遅らせる深刻な原因のひとつといえます。

独立行政法人情報処理推進機構による「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」によれば、多くの企業がDXへの取り組みを模索しており、まだ結果が出せていません。DXを遅らせる「データのサイロ化」解消は急務といえるでしょう。もし自社のシステムがサイロ化しているのであれば、これ以上のサイロ化を食い止めながら、データ統合に向けて早急に動き出すことが求められています。

DXへの取り組みに関する成果の状況
【出典】独立行政法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」より作図

現在、多くの日本企業が抱える「データのサイロ化」を解消するためには、どんなデータがどの場所にどのくらい保管されているのかを、全社的に洗い直し、見える化することが最も重要です。それができれば、自社の状況に合ったソリューションを活用することができ、すでに各部門で構築されているシステムやデータベースを生かしながら、データ統合が可能になります。

これまでの数十年間、企業は積極的にIT化に取り組んできました。さまざまな業務のIT化が完了した今、これからは蓄積してきたデータをどう活用していくかというフェーズに直面しているといえるでしょう。バラバラに見れば単なる数値の集まりにすぎないデータでも、ビッグデータとしてさまざまな角度から分析すれば、宝の山に変わるかもしれないのです。

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記事公開:2021年5月
情報は公開時点のものです