本コンテンツは、お客さまがご利用のOSまたはブラウザーへ対応しておりません。
最新のOS、ブラウザーにアップデートしてください。

Reading keywords

 2045年はSFの世界!?
「シンギュラリティ」がもたらす未来。

人工知能(AI)に関する話題でよく耳にする言葉
「技術的特異点=シンギュラリティ」は、SFの世界のことの
ようにも思えますが、このポイントはそう遠くない未来である
2045年にやってくるといわれています。
この特異点に向けて、すでにさまざまな場面で活用が進んでいる
AIと共にある未来について考えてみましょう。

2045年に出会うかもしれない「特異点」とは

いま注目されるキーワードの「シンギュラリティ(singularity:英)」は、日本語では「特異点」と訳し、「物事がある時点を契機に大きく変化するタイミング」という意味です。人工知能(AI)に関して使われる場合のシンギュラリティとは「技術的特異点」、AIが人間の能力を超える転換点のことを指します。

この概念を最初に提唱したのは、米国の発明家であり、AI研究の世界的権威でもあるレイ・カーツワイル氏です。今後、AIの学習能力が向上し、AI自身がより優秀なAIを生みだすことができるようになった場合、加速度的な能力向上が起こり、人間の予測範囲を超えた未知の技術進化が起こると考えられます。カーツワイル氏はこのポイントを「シンギュラリティ」と呼び、2045年に到達すると予測しました。

シンギュラリティへの展望
総務省情報通信政策研究所「インテリジェント化が加速するICTの未来像に関する研究会報告書2015」より作図

シンギュラリティに深く関係するAIの歴史を、ここで簡単に振り返ってみましょう。AIの研究が始まったのは、実は1950年頃までさかのぼります。そこから現在に至るまで、いくつかのブームがありました。

第一次AIブーム(1950年代後半~1960年代):
知識の処理(与えられた知識をもとに推論や探索ができる)
第二次AIブーム(1980年代):
知識の活用(与えられた知識を活用し、専門家のようなふるまいができる)
第三次AIブーム(2000年代~現在):
学習と進化(ビッグデータを用いた機械学習で自ら進化できる)

第一次ブーム、第二次ブームでは、AIは人間が与えた知識を扱うのみでした。人々の期待が果たされなかったことから、AI研究はブームのあと多くの人から忘れられ、二度の「冬の時代」を迎えています。

対して、第三次AIブームを牽引しているのがディープラーニング技術です。これはAIがインプットされた膨大なデータから、そのデータの特徴や法則性を見いだし、それを活用しながら自ら知識を学び進化できるもので、シンギュラリティが予測される根拠の一つともなっています。

人間になるのか、人間を超えるのか?
AIが「ひらめく」日がくる!?

では2045年にシンギュラリティを迎えると、私たちの社会や生活はどう変わるのでしょうか。人間の知能をはるかに超えるAIの台頭によって、これまで人間がやっていたことをAIが代行するだけでなく、人間では不可能なことをAIが可能にする未来がやってくると予想されています。

現段階でも、シンギュラリティの兆しが感じられるような場面は少なくありません。

すでに多くの工場ではIoTによって集めたデータをAIが分析し、必要に応じてロボットがモノを扱う生産管理や、AIの画像分析による不良品判定などが行われています。また、AIが顧客に合わせた商品をおすすめするレコメンドエンジンはECサイトで非常に一般的になりました。疲労などの影響を受けず、大量の情報をもとに確実な処理ができるAIの能力は、一部ですでに人間を超え、広く浸透しはじめているといえるでしょう。

さらに、シンギュラリティ後のAIは、単なる情報の処理を超えて、人間にしかできなかった「ひらめき」を可能にするかもしれないという予想も出ています。人間の脳と同じように過去に蓄積された果てしない情報をもとにAIが自由に想像し、新たな何かを創造する時代が到来するかもしれません。

「人間はどう生きるのか」がAIから問われる時代へ

一方、シンギュラリティが起こることはないと主張する専門家もいます。これまでブームとなったあと忘れられた過去を例にとり、現在の第三次AIブームは過大評価だという人も少なからずいます。ディープラーニング技術でAIがどのような進化を遂げるのか、その姿は専門家の間でも未知数です。

もし、カーツワイル氏の予測どおり、2045年にシンギュラリティを迎えることになれば、人類は初めて自分たちより知能が高い存在を目にすることになるでしょう。そこでどのような変化が起こるのか誰にもわかりませんが、世界に大きな価値観の変化をもたらすことは確実です。

人間を超える能力を持ったAIの登場により、確実に「仕事」という概念の転換を迫られることになります。人間がやっていたことをAIが安く・早く・正確に肩代わりする一方で、それにより生まれた時間を使い、芸術やエンターテインメント、遊びや学び、食文化など、人の楽しみや癒しとなるものをはじめとする、人にしかできない仕事の価値がクローズアップされるでしょう。さまざまな分野でまだ想像もできないような仕事が生まれてきたりするかもしれません。

人類の長い歴史を振り返ると、大きな変化の中では多くのものが失われてきました。しかし破壊の陰には常に創造があり、それが新たな歴史と価値観を紡いできたといえるでしょう。AIも、いま、私たちがどう生きるのかという問いを突き付けているのかもしれません。

「AI」に関する富士フイルムの取り組み

  1. 富士フイルムグループ AI基本方針
    富士フイルムでは、研究・開発、生産、販売・マーケティングをはじめとする企業活動全般において、人工知能(AI)を有効かつ適切に活用するための指針として、「富士フイルムグループ AI基本方針」を策定しました。
    富士フイルムグループ AI基本方針
  2. 富士フイルムグループ 「DXビジョン」
    富士フイルムでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の更なる推進により、これまで以上に優れた製品・サービスを提供して顧客への提供価値を飛躍的に高め、社会課題の解決に向けた挑戦を続けることをコミットすべく、富士フイルムグループの「DXビジョン」を策定しました。
    富士フイルムグループの「DXビジョン」

記事公開:2021年8月