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デジタルとの融合で目が離せない!?
進化した屋外広告「OOH」とは。

2021年7月、新宿に現れた巨大な三毛猫の3D広告! 実物を見ていなくとも、
ニュースやSNSで知った方も多いのではないでしょうか。こうした屋外広告や、
電車内などで見掛ける交通広告を「OOH」と呼んでいます。デジタル化によって、
表現や出稿方法も大きく変化し、街中や施設内、駅、電車の中など、一歩家を
出れば、私たちの気を引き、印象づけようと、あの手この手を尽くしてきます。
果たして、これまでの屋外広告や交通広告とは、どこがどう違うのでしょうか。
今回は、時代の変化に応じて進化を遂げている「OOH」について解説します。

「OOH」の基本。昔からある屋外広告との違いは?
広告全般における位置付けは?

古代ローマ帝国時代に、貿易で栄えたトルコの港町。その路面に刻まれたハート、足跡、女性、財布(お金)が、現存最古の屋外広告とされており、娼館への案内図だったと推測されています。日本では、『土佐日記』に絵看板の記述があることから、少なくとも平安時代には屋外看板があったと考えられます。屋外広告は、それほど古くからある広告手法ですが、最近では屋外広告と交通広告を総称して「OOH(Out Of Home)」と呼ばれています。

一般的に広告媒体といえば、新聞・雑誌・テレビ・ラジオが「マスコミ4媒体」として主役の座についていました。しかし、ITの進歩に伴って広告媒体も多様化し、2008年には総広告費におけるマスコミ4媒体の比率が初めて50%を割り込み、2021年にはインターネット広告費がマスコミ4媒体の合計を上回るようになりました。

そして、このデジタル化の波は、OOHにも大きな変化を及ぼしています。例えば、屋外の大型ディスプレイや、駅の通路などで見掛けるデジタルサイネージなどの多様化もその一つです。また、デジタル化は、新たな効果測定手法を生み出し、コロナ禍など人流が変化しやすい状況下でも、ターゲットへの柔軟な広告配信や効果的な広告計画が可能な点も期待されています。最近こそコロナ禍に伴い、全体として広告出稿が減少した影響はありましたが、ここ10年デジタル化の進んだOOHは、増加傾向をたどり、まだ広告費は少ないものの市場規模も広がりつつあります。

広告費の売上高の推移 広告費の売上高の推移
【出典】経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より作図

OOHの媒体は多種多様!
バズメディアとしてSNSで拡散も!

Out Of Home というぐらいですから、OOH広告は、媒体も形態も多種多様です。近年注目されている媒体を中心に、代表的なOOHをご紹介しましょう。

・デジタルサイネージ
簡単に言えば、広告を表示する薄型液晶ディスプレイなどの表示装置のことです。渋谷のスクランブル交差点周辺の大型街頭ビジョンや品川駅自由通路のデジタルサイネージなどは、ニュース映像でもおなじみです。最近では、エレベーターホールや美容サロンなど、さまざまな場所で展開されています。時間帯やその日の気温などに合わせて、コンテンツを変化させることも可能です。
・交通広告(電車、空港、バス、タクシー)
オフィス街、学生街、繁華街など、街や地域は、それぞれの顔を持ち、集まる人も変わってきます。また、新幹線や航空機は、一般的にビジネス客が多く利用する傾向にあります。このため、駅や路線を選んで出稿できる交通広告は、ターゲットを絞って効果的な訴求が可能です。また、電車やバス、飛行機などの車体全体を媒体とするラッピング広告も、高い広告到達率・注目率が見込めます。さらに、最近ではタクシー車内に設置されたモニターも、効果的なOOH広告の媒体として注目されています。
・アドトラック
移動屋外広告としての機能に特化したのが、荷台に看板やデジタルサイネージを取り付けたアドトラックです。ターゲットと接触できそうなルートを何度も巡回したり、デジタルサイネージの場合は、場所によって表示内容を変えたりして、ターゲットとの接触回数を増やすことができます。印象的な表現であれば、SNSで拡散されることも少なくありません。

こうしたOOHのメリットは、多くの人の目に入るとともに、視認性が非常に高いことから印象に残りやすく、ターゲットへのリーチ力が高いことです。特に最近では、エモい(エモーショナルな)表現であれば即座にSNSで拡散され、より多くの人に見てもらうことが可能です。このため、OOHは、バズメディアとしても注目されています。

一方、OOHのデメリットは、広告への接触人数など効果測定がしにくいことでした。しかし、最近ではスマホアプリの位置情報データを基にする手法が普及するなど、精度の高い効果測定も可能になりつつあります。

ダイナミックDOOH? プログラマティックOOH?
時代の変化とともに進化するOOHの今

デジタル化したOOH(DOOH:Digital Out Of Home)の場合、可能性はさらに広がります。

その一つが、「ダイナミックDOOH」です。これまでは、デジタルサイネージのようなDOOHでも、あらかじめ決まった内容が配信されているにすぎませんでした。これに対して、ダイナミックDOOHは、センサーやカメラなどで外部の情報を取り込み、それらに応じて広告内容を変化させます。例えば、ある鉄道会社では、車内の温湿度や乗客の性別・年齢層、混雑状況などの情報を取得してAIで解析し、最適な広告をドア上部の液晶ディスプレイに配信しています。

また、複数の広告枠をネットワークでつなぎ、取引・配信・効果測定を自動化するのが「プログラマティックOOH」です。プログラマティックとは、データに基づいて自動で広告を買う取引のことです。例えば、○○を趣味とする人をターゲットにしたい場合、○○好きな人が多くいると想定される場所を検討し、その人たちの行動パターンと照らし合わせるなどして、屋外ディスプレイなど周辺にある表示装置ごとのターゲット含有率(ターゲット層がどのくらい占めているか)をスコア化します。そして、それに時間帯を掛け合わせて最適な広告計画を策定し、各広告枠を自動的に買い付けるという仕組みです。これまでは、1枠ですら煩雑だった屋外広告の取引が自動化され、スピーディーに出稿できるとともに、ターゲティングも容易な点が注目されています。

効果測定手法の標準化などの環境整備については、各業界団体も動き始めています。一般社団法人日本広告業協会では、広告効果の指標となる広告価値指標(=Viewable)をベースに、国際標準に準拠した統一指標の策定をゴールにした、「OOH新共通指標策定プロジェクト」を2021年2月に発足しました。また、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムでは、DOOHの推定視認者数の測定に関する標準を示すことを目的とする「オーディエンスメジャメントガイドライン(第1版)」を同年3月に策定し、公開しています。

OOHはデジタル化によって、ますます目の離せないものになりそうです。スマホから顔を上げて視界を広く持てば、印象深い出会いがあるかもしれません。

「OOH」に関する富士フイルムの製品・技術

  1. 広告・ディスプレイ
    富士フイルムが写真ビジネスで培ってきた技術とノウハウ、幅広いラインアップで、大型ディスプレイ、商業サイン、大型出力などのサービスを展開しています。
    富士フイルムの広告・ディスプレイ関連サービス

記事公開:2022年4月