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何歳になっても成長できる!
行動技術による自分の「伸ばし方」

vol.1

「再現性」のある学び方を身に付ければ
どんなことでも必ず上達できる!

「やり方がわからない」「続けられない」が上達の壁

この連載では、「何をやっても長続きしない」「一生懸命頑張っているのに、なかなか成果が出ない」「得意なことと苦手なことの差が激しい」といった悩みを抱えている方々に、行動科学マネジメントに基づく「行動技術」によって、着実に自己成長を促す方法を伝授します。
「英語がもっとうまくなりたい」とか「プレゼンがうまくなりたい」「資格試験に合格したい」「フルマラソンを走れるようになりたい」など、何かにチャレンジして、自分をもっと成長させたいという思いは、誰しも必ず抱くものです。
ところが、いざ始めてみると、三日坊主で終わってしまったり、効率のよいやり方がわからないので、いつまでたっても上達しなかったり。その結果、「自分には無理な目標だったのだ」とあきらめてしまう人が少なくありません。これは非常にもったいない話です。
上達しないのは、突き詰めれば「やり方がわからない」か、「続けられない」かのどちらかの理由によるものです。この2つの課題さえ解消すれば、誰でも必ず自分の能力を伸ばし、目標を達成することができます。
そして、この2つの課題解決に役立つのが、本連載で紹介する「行動技術」なのです。

いざ始めてみたものの思ったように上達しない……。そんな悩みを解決するには!?

再現性のある「行動技術」は人生の大きな財産になる!

本題に入る前に、「行動技術」のベースとなっている行動科学マネジメントについて簡単に説明しておきます。
私が提唱している行動科学マネジメントとは、米国のビジネス界や教育界などで大きな成果を上げている行動分析学・行動心理学をもとにしたマネジメント手法を、日本人に最適な形でアレンジしたものです。
行動科学マネジメントには、既存のマネジメント手法とは異なるさまざまな特徴やメリットがあります。中でも最大の特徴は、「再現性」が高いことです。
日本企業の伝統的なマネジメントは、どちらかといえば「仕事は盗んで覚えろ」とか「背中を見て学べ」といった精神論が主体でした。
しかし、特定の人のやり方をまねしても、それが自分に合っているかどうかはわかりませんし、合わないまま続けてしまったら、自分を伸ばすどころか、逆に伸び悩んでしまう恐れもあります。
その点、この連載で紹介する「行動技術」は、行動科学マネジメントという科学的な根拠に基づいているため、誰にでも応用できますし、どんな分野にも当てはめられます。
しかも、一度「行動技術」を身に付けてしまえば、その方法は生涯にわたって、仕事や勉強、スポーツ、趣味など、あらゆる分野に応用できます。なぜなら合理的な「やり方」と「続け方」は、どんな分野にも共通するものだからです。
このように再現性の高い「行動技術」を身に付けた人は、仕事でも、勉強でも、スポーツでも、いったん取り組み始めたら着実に成果を上げられるようになります。あらゆる面で、自分を成長させてくれる大きな財産となるわけです。

目標と到達時間を明確にする

前置きが少し長くなりましたが、早速「行動技術」のひとつを紹介しましょう。
読者の皆さんの中には、「何をやっても長続きしない」と悩んでおられる方が多いのではないでしょうか。さまざまな原因が考えられますが、これまでにいろいろなビジネスパーソンや学生さんたちを指導した経験によると、「目標があいまい」であることが、継続を妨げる大きな原因となっているようです。
行動科学マネジメントでは、目標を明確に定め、そこにたどり着くまでの時間をきちんと計測してから行動することが基本中の基本です。
例えば「いつかは英語がうまくなりたい」と思っている人がいるとします。これでは目標とする英語のレベルも、目標にたどり着くまでの時間もあいまいなので、行動(勉強)そのものがあやふやになってしまいます。
「2年以内にTOEIC800点以上をとる」といったように目標と期限をはっきりさせれば、おのずと残された時間と、その間にやるための行動が見えてきます。
期限内に目標を達成するためには、「1日30分ずつ」とか「1日20ページずつ」勉強するという時間のブレークダウンができるので、「今日はここまでやる」という1日1日の目標が明確になります。
このように、目標に至るまでの時間を具体的な数字で計測しながら行動することが、長続きさせるための第一歩なのです。
とはいえ、仕事や家庭の事情などで忙しかったりすると、「何を、いつまでに」という目標を定めにくいものです。しかし、「いつかは」というぼんやりした願望のままでは、いつまでたっても動き出すことはできません。
そんなときは、「忙しければ、先延ばしすればいいんだ」と考え、まずは気楽な気持ちで、とにかくいったん目標を定めてみましょう。会社や学校から強制されたわけではなく、自分で決めた目標なので、後で変更しても構わないのです。
もちろん、しっかり計画を立てても、「何となく気が乗らない」とか「ほかのことの誘惑に負けてしまう」といった理由で長続きしなくなる方もいらっしゃるはずです。
次回は、そうした方々が意欲的に取り組めるようになる「行動技術」を紹介します。

“伸ばし方”のポイント

「いつかは英語がうまくなりたい」ではなく、「2年以内にTOEIC800点以上をとる」といったように目標と期限を数値化して明確に。

PROFILE

石田 淳いしだ・じゅん
株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者。社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事。アメリカの行動分析学会ABAI会員。日本行動分析学会会員。日本ペンクラブ会員。日経BP主催『課長塾』講師。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析をもとにしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。執筆活動や講演・セミナーを精力的に行う。

記事公開:2019年6月