いきなり高めのハードルを設定するのは禁物
「何かにチャレンジしても、いつも長続きしない」という悩みを抱えている人は多いものです。前回は、その解決策として目標を明確に定め、そこにたどり着くまでの時間をきちんと計測してから行動することを提案しました。
まずは、「英語が上達したい」といった漠然とした願望ではなく、「2年以内にTOEIC800点以上を取る」といった具体的な目標を掲げること。そして、そこに至るまでの日数をブレークダウンして、「1日30分ずつ勉強する」「テキストを毎日10ページずつ終わらせる」といった“小さな目標”を設定し、着実にクリアしていくことが大切です。
ところが、実際に始めてみると、最初の1日、2日で早くも息切れしてしまい、3日目ごろには「これじゃ続かない」と、あっさりギブアップしてしまう人も少なくありません。
文字通りの“三日坊主”ですが、どうして長続きしなくなってしまうのでしょうか?
考えられる原因のひとつは、“1日当たりの目標”のハードルが高すぎることです。
たとえば、受験勉強以来、机に向かって勉強することから遠ざかっていた人が、いきなり「1日30ページずつテキストをこなす」という日課に挑んだとしても、頭や身体、そして何よりも気持ちが、思うようについていかないのではないでしょうか?
行動科学の研究では、「そもそも人間は、急激な行動の変化にはついていけない生き物である」ということが明らかになっています。
“1日当たりの目標”を設定するにしても、頭や身体が慣れるまでは無理のないレベルにとどめ、慣れるに従って少しずつハードルを上げていくことが大切なのです。