「Have to」を「Want to」に変える
前回は、勉強や自己研鑽などの「三日坊主」を克服するには、少しずつ目標のハードルを上げて、頭や身体を徐々に慣らしていくことが大切だという話をしました。
無理なくレベルを上げていけば、何事も長続きするので、おのずと力がついてきます。「やればできるんだ」という自信も出てくるので、「もっと上を目指してみよう」という向上心が生まれ、さらに成果が上がるという好循環が回り始めるわけです。
成果が上がり続けると、取り組みへの辛さは次第に薄れ、むしろ「楽しさ」を感じるようになります。「楽しいから、もっと続けたい」という「Want to」の気持ちが強まるのです。
「何としても試験に合格しなければならない」「もっと営業成績を上げなければならない」といった「Have to」(~しなければならない)の動機付けで何かを始めたとしても、なかなか長続きはしません。むしろ、強迫観念によって心身が萎縮し、思うように成果が上がらなくなって、途中で投げ出してしまう人が多いようです。
あなたが部下や後輩を指導する立場の人なら、過大な目標やノルマを押し付けるのではなく、小さな目標を少しずつ達成させながら、「Have to」から「Want to」へと気持ちを変えられるように導いてあげたいものです。
「これをやると、自分にどんなメリットがあるのか?」ということを明確にしてあげるのも、部下や後輩の気持ちを「Have to」から「Want to」に変えるコツです。
「この試験に合格すると、昇進がしやすくなる」「契約が月に何件取れるようになると、リーダーに抜擢されて給料が上がる」といった具体的なメリットを示されたほうが、何の目的もなく取り組むよりモチベーションが上がりやすいものです。