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日々を充実させる!タイムマネジメントの技術

24時間を上手に使って、仕事もプライベートも充実させるコツを紹介します。
vol.11

もう先延ばししない!
脳を活性化させ、行動力をUPさせるには。

時間制限を設けると、習慣も変えることができる

今やっておけば後々楽になるとわかっていても、ギリギリになるまで行動を起こせないという人も少なくないでしょう。先延ばしをすると、脳に未完了のタスクを覚えさせておくことになります。時間をムダにしてしまうだけでなく、目の前のタスクに脳を十分に使えなくなるのです。

行動力を上げるおすすめ方法の一つは時間制限を設けること。時間に限りがあると、脳がそれまでに「完了(クリア)しよう」と積極的に働くからです。

特に作業系のタスクでは、タイマーを使うのがおすすめです。一つひとつのタスクを細かく分けて、「この作業は○分以内に終わらせる」と制限を設けることで、モチベーションは格段に上がります。タイマーを活用することで、作業にかかる時間感覚もつかめるようになり、スケジュールを立てる際にも役立つでしょう。

また、クリエイティブ系の仕事にはじっくりと考える時間が必要です。良い案が思いつくまで、いつまでも時間をかけてしまうという人も多いかもしれません。そういった場合にも「〇〇までに完成させる」と期限を決め、時間を制限してみてください。明確な目標を設定することで「それまでに終わらせなければ」と集中力が上がります。あえてその仕事の直後に次の予定を入れるなど、工夫しましょう。

このように具体的に時間を区切って、クリアできるかどうか……と時間との戦いにすることで先延ばしを防ぐだけでなく、作業効率アップも期待できます。

ダラダラしてしまう原因をなくす4つのポイント

タスクを先延ばししてしまう場合には、何かしら理由があることが考えられます。以下の4つのポイントを押さえられていると、タスクに取り組めない、タスクがはかどらない原因は生まれにくくなるでしょう。

(1)とにかく一歩目を踏み出す
やる気が起きなくても、完璧に準備ができていなくても、「エイッ」と最初の一歩を踏み出してみましょう。気持ちが乗って、思った以上にはかどることもあるはずです。まずは一歩目を踏み出すという行為が重要なのです。
(2)「いつ」「どこで」行動するか具体的に決める
アメリカの大学で学生を対象にした実験例があります。エッセイを書く課題を出す際、一方のグループに対しては「締切」の期限のみを設定し、もう一方には、期限の設定に加えて作業する「時間」と「場所」を具体的に決めてもらいました。その結果、期限は同じにもかかわらず、後者の提出率は倍以上になったそうです。

「もし~だったら…する」と決めておく、この手法を「if-then(実行意図)」と呼びます。つまり「いつ」「どこで」行動するかを具体的に計画できることが、実行力を上げるうえで大切なのです。紙やパソコン、スマホなどのメモにやるべきことを行う場所と時間を記し、可能なら予定が変わった際の対処法まで示しておくと、動きやすいでしょう。
(3)タスクを細かく分解して、手順を明確にする
もし一歩目を踏み出してもそれ以上進まないなら、手順がわかっていないことが原因かもしれません。つまり、「どこから手をつけたらいいのか」が見えていない状況です。いくらやる気があっても、わからないことを前にしては躊躇してしまうもの。そんなときは、目の前のタスクを細かく分解することがポイントです。タスクを分解して整理することで、一つひとつの手順を明確で簡単なものにすることができ、初めてのタスクや手順が複雑なタスクであっても、不安感を払拭して取り組むことができます。
(4)目的を明確にする
人は取り組むことに目的や意義がなければ意欲が湧きにくいもの。先延ばしにしてしまうのは「何のためにすべきか」をわかっていない、あるいは理解していてもその重要性を曖昧に捉えているからかもしれません。自分が向き合う作業・仕事が「誰の」「どんな悩み」を解決するものなのか、目的を理解することで、モチベーションをアップさせることができるでしょう。

そのほか、「いつまでにこれを仕上げる」と周囲の人に宣言する、紙に書くなど、決意を外に出してみてください。自分自身にプレッシャーがかかるので効果的です。その際には「~したい」ではなく「~する」と語尾を変え、断言しましょう。

目的をずらせば、新たなモチベーションが生まれる

誰にでも得手不得手はあるもの。得意なことだけに注力できるといいのですが、実際の仕事となるとそうはいかないことも多いでしょう。苦手分野は気が進まず、後回しにしがちです。そんな場合は目的をすり替えてみてはどうでしょう? 「特定の仕事のため」と考えるのではなく、ほかの業務や自分の興味につながる別の目標へと変えてしまう方法です。

例えば来週、大きなプレゼンがあるとします。人前で話すことや資料作成が苦手だと、なかなかやる気が出ず、事前準備を先送りしがちかもしれません。それは事前準備を「プレゼンのための作業」だと考えていることが原因とも考えられます。では、意識を変えて「自分自身のスキルアップのため」と目的を定めてみるとどうでしょう。新たなスキルが身につけば、それを他人に教えることができたり、評価の対象になったり、より活躍の場は増えるはず。そう考えると、作業に取り掛かろうという意識も高まってくるのではないでしょうか。

目的をずらす際には、普段の自身の習慣に着目してみましょう。モチベーションが上がるポイントは人によって異なります。自分の趣味や好きなことなどから、別の目標を設定できると、モチベーションを上げやすくなるでしょう。

■ 目的をずらす方法

苦手な作業に取り組む際には、ご褒美と組み合わせてみるのもおすすめです。例えば、作業中には好きな食べ物や飲み物を用意する、お気に入りのカフェなどに場所を変えるのも一つの手です。苦手なタスクを好きなこととセットにすれば、楽しみながら続けられるもの。集中力を要する作業の場合は、終わった後の楽しみを準備しておくのも効果的です。近い未来に報酬があると、些細なことでも強い支えとなるでしょう。

充実した時間を過ごすためのポイント

4つのポイントを押さえて、タスクの先延ばしを防ぐ。
興味・関心を巻き込んだ目的にずらし、
やりたくないことへのモチベーションもUP!

PROFILE

池田 貴将
池田 貴将いけだ・たかまさ
株式会社オープンプラットフォーム代表取締役。リーダーシップ・行動心理学の研究者。大学在学中にアメリカへ行き、コーチング・目標達成・モチベーション理論を学び、起業。科学的根拠に基づいた独自メソッドを開発。著名人を含む、年間1万人以上がセミナーに参加し、高い評価を受ける。著書に『タイムマネジメント大全 24時間すべてを自分のために使う』(大和書房)、『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』(サンクチュアリ出版)、他多数。

記事公開:2024年3月