ストレスが増えると、脳は衝動を抑えられなくなる?
時間を有効活用しようとして、「今日の夜は勉強しよう!」「仕事帰りに、ここに行こう!」と決意していても、いざそのときになると面倒になったり、疲れてやる気がなくなったり……という経験はありませんか? 人はストレスホルモンが増えると脳の衝動を抑制できず、誘惑に流されやすくなります。そのため、夜になると計画していたことが特に実行しづらいのです。しかし、そんな夜の時間を上手に使うことができれば、翌日を万全な状態で迎えることができ、さらなる時間の有効活用につなげられるでしょう。
まず、誘惑に流されやすい状況を避けるには、以下のようなことを心がけてください。
- “自我消耗”する状況から離れる
- 意志力ややる気の発揮、セルフコントロールなどの精神活動で使える力は有限です。仕事などで疲れるとその力はどんどん失われ(自我消耗)、自制心が減って脳が衝動的になります。こうなってしまうと、自分の気持ちだけで誘惑に打ち勝つのは難しくなってきます。疲弊しないよう仕事量を調整する、適切な休憩をとるといった心がけはもちろん、お酒を家に置かない、動画アプリをスマホに入れないなどの工夫をして、目の前から“誘惑のもと”となるものを取り除くことが有効です。
- 衝動に流された場合のリスクを考える
- リスクを意識することも大切な要素です。例えば夜にジャンクフードを食べたくなったとき、「もしかすると健康を失うかも……」「太ってしまうかも……」とイメージすると、誘惑に負けない強い意志を持てるでしょう。また個人的なスキルのための勉強がはかどらないときは、やる気を出すために「次の人事評価の際に昇進したい」など、目的やゴールを明確に設定することも有効です。
- リストによって意志を強固にする
- 意志を実行するには、漠然とモチベーションを高めようとするより、計画の上で導き出した「やることリスト」を用意することが有効です。2人の米国大学教授がスーパーマーケットで行った調査結果があります。彼らは客たちに「空腹かどうか」を聞き、会計後に買ったものを見せてもらいました。すると「空腹」だと答えた人は必要以上に多くのものを購入していたそうです。そこで「買い物リスト」を用意してもらった上で同様の調査をしたところ、「空腹」と回答した人たちでも予定外の買い物をした人は少なかったといいます。つまり、リストを用意することで脳の衝動が抑制され、コントロールできるようになることがわかったのです。