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図解で思考整理

ビジネスマンが抱える悩みを、「図」にすることで解決します。

vol.13 組織の構造を図解して、変革の時代を生き抜く。

経営資源の7つのS

アメリカに本拠地を置く、世界有数の戦略コンサルティング企業、マッキンゼー・アンド・カンパニー。同社では経営資源を「7つのS」で表し、企業戦略や組織を検討するためのポイントとしています。7Sは大きくハード資源とソフト資源に分けられます。それぞれについてみていきましょう。
ハードの資源には、まず事業戦略があります。それをベースにシステムや組織が構築されます。

●ハード資源(3つのS)
1.戦略(Strategy)…競争優位性を確保するための強化活動と事業の方向性
2.組織(Structure)…組織の構成
3.システム(System)…人事評価制度、報酬制度、教育制度、会計制度など

これらハードの資源が、4つのソフトな資源を生み出します。ソフト資源とは、企業の価値観、スキル、必要な人材、企業文化のことです。

●ソフト資源(4つのS)
4.価値観(Shared Value)…全ての従業員が持つ共通の価値観
5.スキル(Skill)…営業力、技術力、マーケティング力など
6.人材(Staff)…一人ひとりの能力とモチベーション
7.スタイル(Style)…社風、会社独自の文化など

7S(7つの経営資源)の全体像

実はソフトの4Sの変更こそ難しい

大きな組織に属していると、ハードの3Sを変更するのは大変でしょう。しかし本来はそうではありません。戦略、組織、システムは、経営者の鶴の一声が出れば、企業努力で変更は可能です。
対してソフトの4Sは変えるには時間がかかります。個人の能力を開発するには、経験を積む必要がありますし、社風をいきなり変えたところで、すぐに従業員全員に浸透するわけではないのです。
日本を含めた先進国の産業は、大きなパラダイムシフトの真っ只中にあります。それは第4次産業革命という大きな潮流のことです。今後、あらゆるモノがIoT化し、製品、サービス、製造現場が変わるといわれています。
その変化にハードの面から対応し、戦略、組織、システムを変えようとしたときに、しっかりソフトがついて来られるかが、新しい時代を生き残るキーポイントになるでしょう。

PROFILE

永田 豊志
永田 豊志ながた・とよし
知的生産研究家、ショーケース・ティービー共同創業者兼取締役副社長。九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、ショーケース・ティービーを共同設立。図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外で執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

記事公開:2018年5月