購買決定要因を縦軸と横軸にしてマップを作る
ターゲットとなる顧客層に対して、自社商品またはサービスの独自性、つまり競合と比べた時の差別化ポイントを明確にすることをポジショニングといいます。そして、このポジショニングを可視化するためのフレームワーク※が、今回ご紹介するポジショニングマップです。
ポジショニングマップを作成する際は、ターゲットの購買決定要因(KBF=Key Buying Factor)を定めることが重要です。具体的にいうと、「価格」や「機能性」といった、顧客が商品を選ぶ際に“決め手”となる要因です。
まず、とりわけ重要となる2つの要因を縦軸と横軸に据えた座標軸を作成し、自社商品と競合する商品を円形で描いて、位置付けを表します。その商品のカバーできるエリアが大きければ、それだけ円を大きく描いて示します。
作成したマップにおける自社商品の位置付けが競合する商品と大きく重なっていれば、商品の差別化が不十分であることを意味します。反対に、ほかの商品の存在しない領域に自社の商品があるなら、独自性を打ち出せる可能性が大である、といえます。
とはいえ、領域を独占できるからといって、ただ高価格エリアに新商品のポジションを定めるのでは、「値段の割に合わない商品を買わされる」と、不評をかってしまう可能性もあります。ポジショニングマップの作成にあたっては、あくまで“顧客視点”で位置付けを決めるのが、もっとも重要なポイントです。客観性を欠く自社本位の位置付けでは、自社の考えるポジショニングと顧客の意識にズレが生じてしまい、フレームワークによる成果が期待できないのです。
※フレームワーク…経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。