見えない問題の原因を推測する「仮説思考」の考え方
「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」。孫子の言葉のなかでも有名なこの一説は、「敵の事情を知り、自分の力を正確に把握していれば、戦いに負けることはない」という意味です。孫子にはビジネスにも応用できる金言が多いのは、ご存じの通りかと思います。
とはいえ、千変万化のビジネス・シーンでは、相手(競合他社・取引先・市場など)の事情が十分わかることはまれです。短時間のリサーチで、限られた情報しか得られないままに、課題解決の戦略を練らざるを得ない事態がままあります。そんな時に使えるフレームワーク*が「仮説思考」です。
「仮説思考」とは、限られた情報から、最も可能性の高い結論(仮の結論=仮説)を設定し、その仮説に基づいて計画を立案・実行・検証・修正していく思考方法のことです。
* フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。