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図解で思考整理(実践編)

ビジネスマンが抱える悩みを、「図」にすることで解決します。

vol.25 数値データを扱うだけがチャートではない!
「ベン図/オイラー図」と「フローチャート」を使いこなす。

図解で思考整理の極意

過去2回にわたり、集計された数値をチャートにする方法を紹介しました。目の前に積まれた資料の扱いに悩んだら、「とりあえずチャート化」を目指し、「まずはマトリックス」を作る。マトリックスができたら、「バブルチャート」や「ボリュームチャート」にして視覚的、直感的にデータを把握しやすくする。そして時には統計学の初歩の技である「分散」を使って分析をする。
慣れてくると、数字を見たら自然とチャートにする思考回路ができあがってくると思います。この「チャート脳」ができたら、少し面白いことに気が付くかもしれません。「もしかしたらこれを応用して数値データではないこともチャートにできるのではなかろうか?」と。実はフレームワークには、そんな数値データを使わないチャートがあります。代表的なものが「ベン図 / オイラー図」と「フローチャート」です。

※フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。

グループ同士の相関関係をわかりやすくする「ベン図 / オイラー図」

複数回答可のアンケートで「犬が好きな人」「猫が好きな人」「どちらでもない人」のべン図

ベン図は、考案者であるイギリスの論理学者、ジョン・ベンの名が付けられたチャートです。全体を複数のグループに分類した時、各要素がどこに属し、各グループがどのように重なるか、あるいは重ならないかを視覚的にチェックするのに適しています。上の図は犬派か猫派かを問うアンケートから、3つのグループの存在を視覚化しています。
パターン1は円の重なりの部分に着目した「論理積」。犬が好きかつ猫が好きなグループがここにあたります。パターン2は2つの円全体に着目した「論理和」。犬も猫も好きな人の範囲です。パターン3は円の外の範囲である「論理和の否定」。犬も猫も好きではない人を示しています。
本連載のvol.11では思考整理の基本として、モレやダブりがない「MECE(ミーシー)」という考え方を紹介しましたが、ベン図はむしろ、モレやダブりを表すためのチャート。商品・サービスのマーケティング対象や購入層を確認する時などには、ベン図の活用をおすすめします。

グループ(円)が重ならないオイラー図(部分集合)の例

上の図はオイラー図と呼ばれる、円が重ならないチャート。円がまったく重ならないこともあれば、この図のように1つの円が飲み込まれる場合もあります。図の名前の由来は、やはり考案者である数学者のレオンハルト・オイラーです。グループ同士の相互関係には、ベン図が表す「重なり」に加えて、オイラー図が表すような内包するパターンがあることも覚えておくとよいでしょう。

業務の流れを視覚的に把握する「フローチャート」

マニュアルなどでおなじみのフローチャートは、迷いなく業務を遂行するために、手順や分岐の流れを明確にするものです。作成するにあたってまず「開始」「処理」「条件分岐」「終了」の4項目を設定することから始めましょう。
「開始」は、手続きのスタート地点です。下記の図の場合は、会員登録画面にあたります。販売業務なら発注書の受理、制作業務であれば企画立案などと設定できます。「処理」は前のプロセスが完了したら行う次のプロセス。「条件分岐」はフローチャートの肝の部分。ひし形で表現し、ある条件を設定、書き込みます。その条件に対しYES、NOそれぞれの場合、次のプロセスがどうなるかを設定し、矢印でつなぎます。「終了」は手続きの完了です。
フローチャートは汎用性が高く、多種多様なシーンで使うことができます。新しい仕事にチャレンジする時、既存業務を見直したい時、仕事の流れを引き継ぎたい時……、日々の業務のなかでふと迷う瞬間があったら、フローチャートを使った図解での思考整理を試してみましょう。

「Webでの会員登録」の手順をまとめたフローチャート

PROFILE

永田 豊志
永田 豊志ながた・とよし
知的生産研究家、ショーケース代表取締役社長。九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、ショーケース・ティービー(現ショーケース)を共同設立。図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外での執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

記事公開:2019年10月