2軸を設定したマトリックスに
各項目を配置していく
ビジネスシーンでは日常的に、顧客からの要望や現場担当者からの意見・提案が発生します。当然、事業を円滑に進めていくには、これらを放置せず、対応していくことが重要です。しかし、複数が同時に生じた場合は、人材や予算といったリソースを考えつつ優先順位をつけなければなりません。
今回ご紹介するのは、複数の要望や意見に対して、一定の基準をもとに優先順位をつける基本のフレームワーク※「ペイオフマトリックス」です。無駄なく優先順位をつけることで最高のパフォーマンスを発揮しましょう。
ペイオフマトリックスでは、まず重要となる2軸を設定します。縦軸に「成果」(「広告効果」「顧客満足度」「顧客数」などでもよい)、横軸に「難易度」(「コスト」「必要期間」などでもよい)を設定するのが一般的です。軸を設定したら、要望や意見を両基準で判断して表(マトリックス)に配置していきます。
※ フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。
ペイオフマトリックスでわける4つの領域
- (1)「成果・高」×「難易度・易」の領域
- 実行による効果が高く、難易度も低めで取り組みやすいので、この領域を最優先して実行に移します。
- (2)「成果・高」×「難易度・難」の領域
- (3)「成果・低」×「難易度・易」の領域
- (4)「成果・低」×「難易度・難」の領域
優先順位を考える上では、(2)のような、時間がかかっても効果のあるものや、要望があるものを優先するか、(3)のような、容易にできるものから実行して完了数を増やすかは、市場の状況や企業ポリシーなどを考慮に入れて決定します。
実行時の効果がそれほど期待できず、実行時に手間やコストがかかるものは、優先順位が低くなります。しかし、顧客満足度や収益性を高めるためには、無視していいわけではありません。後回しにしたとしても、実行の時期やコストを抑える方法などを検討してみるといいでしょう。
しかし、ここで注意しなければならないのが、縦軸の「成果」、横軸の「難易度」の大小・高低は、主観的になりがちということです。ペイオフマトリックスを作成する際は、想定でもかまわないので、顧客のうちの何割程度が希望しているのか、実現に要する日数が何日なのか、といった具合に、できるかぎり数値換算しましょう。そうすることで、より適切な配置が可能になります。