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図解で思考整理

ビジネスマンが抱える悩みを、「図」にすることで解決します。

vol.7 アイデアが出尽くして途方に暮れたら、
「オズボーンのチェックリスト法」であと30個ひねり出す。

チェック項目に答えて発想の切り替えを

天からアイデアが降って来るという言葉がありますが、忙しい現代を生きるビジネスパーソンの私たちには、お恵みを待っていられないときがあります。それに「今週中に新商品の企画を100個出す」ときなどのように、質に加えて量が大事な場合も多いでしょう。

・ 急いでとにかく数を確保したい。
・ 違った角度の思いもよらない案が欲しい。
・ 新しい考え方をするためのきっかけはないだろうか?

そこで頼りになるのが「オズボーンのチェックリスト法」というフレームワークです。この方法は、ある特定のテーマや対象について、以下のチェックリストにある9つの項目に答える形で、発想をしてみようというもの。ブレインストーミングを編み出したことで有名なアメリカの実業家、アレックス・F・オズボーンが考案しました。

※ フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。

オズボーンのチェックリスト9項目

1番目の「そのままで新しい使い道は?」の場合、味は一流だけれど、表面に傷がある野菜や果物を、ワケあり品として販売する発想などが好例です。スマートフォンや、タブレットは、「小さくしては?」「大きくしては?」「色を変えたら?」「カメラと組み合わせたら?」のすべてを試しています。

9番目の「組み合わせてみたらどうか?」では、日常のありとあらゆる製品をIoT化する大きなものづくりの潮流を見過ごせません。このように、すでにヒットした商品が生まれた背景を分析することもヒントになるはずです。

さらにアイデアを絞り出す7つの発想リスト「SCAMPER」

もしも「オズボーンのチェックリスト」だけで足りなければ、これを改良した「SCAMPER」という以下の7項目のリストもあります。

1. 換える(Substitute)
2. 結びつける(Combine)
3. 適応させる(Adapt)
4. 修正する(Modify)
5. 他の目的に使用する(Put to other uses)
6. 除く(Eliminate)
7. 並べ替える(Reverse, Rearrange)

これらは、既存のものを何度もこねくり回して、何とか新しいものを作ろうとする発想法です。「オズボーンのチェックリスト」と重なりますが、少し時間を置いて考え直す気持ちで、再度取り組んでみてください。

斬新すぎて従来のビジネスからすると考えられない、あるいはかつてチャレンジした人がいて失敗に終わっているなど、業界の常識、慣習から見て、あり得ないアイデアも出てくることでしょう。しかしながら、今までにない新しい何かを作るには、それを一度取り払って、さまざまな角度で再検討する作業も大事です。

PROFILE

永田 豊志
永田 豊志ながた・とよし
知的生産研究家、ショーケース・ティービー共同創業者兼取締役副社長。九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、ショーケース・ティービーを共同設立。図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外で執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

記事公開:2017年7月