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図解で思考整理

ビジネスマンが抱える悩みを、「図」にすることで解決します。

vol.8 業務改善のレベルを見える化する、
「成熟度モデルの6段階」。

キーポイントは業務のマニュアル化とその浸透

業務改善は全ての企業が常に取り組まなければならない命題。「成熟度モデルの6段階」というフレームワークでは、業務のマニュアル化が重要であると考え、マニュアルがどれほど浸透しているかで業務改善のレベルを把握します。

「今よりもっと良い方法を模索するために、これまでのやり方を見直してみよう」。マネジメント層がそのように考えると、得てして組織やチームのルールを、一気にガラリと変えたくなる気持ちがフツフツ湧いてくるものです。

するといつの間にか「より良くする」という目的が忘れられ、「とにかく現状を変える」ことだけに邁進してしまう。いわゆる手段が目的になってしまっている状態といえるでしょう。

何も難しく考えすぎる必要はありません。すでに日々の業務が上手く回っているのであれば、何人かの優秀なベテラン社員が、業務を自ら考え出した最適化された方法で行っています。その方法を周知すれば良いのです。

※ フレームワーク・・・経営戦略や業務改善など、さまざまなビジネス局面において、課題解決や現状分析をするための思考方法。思考の枠組み。

成熟度モデルの6段階

各部署、各チームでひとつ上のレベルを目指す

レベル0はまさに会社が混沌としている状態です。社員が手探りのまま、行き当たりばったりで業務にあたっていて、スケジュールすら立てられません。新しい物を生み出す研究開発チームならば、ある程度は仕方がありませんが、ルーティン・ワークがミッションである部署の場合、業務が成り立っていない状態であると危機感を持ちましょう。

冒頭で触れた「何人かの優秀なベテラン社員がいる状態」はレベル2。優秀なベテラン社員からヒアリングを行って、マニュアルを試作して見ると良いでしょう。そのマニュアルが共有されているのがレベル3で、最低でもここまでは到達しておきたいところです。

レベル4は、マニュアルを実践し、足りない部分を補ったり、間違っている部分を修正したりする段階です。最初に作ったマニュアルはあくまで試作であり完成品ではありません。社員一同でトライ&エラーを繰り返しながら、より良いものに叩き上げていくものだと周知しましょう。マニュアルはトップが押し付けるものではなく、あくまで全員参加で作り上げるものです。

レベル5は何度もマニュアルが修正され、最適化されている段階です。社員一人ひとりが、自分が行っている業務に自覚的であり、「このままで良いのか」「より良い方法はないのか」と常に考えています。

いきなりレベル5を目指すのではなく、まずは自分たちがどのレベルにあるかを把握し、レベルを1つあげることを目標にしましょう。

PROFILE

永田 豊志
永田 豊志ながた・とよし
知的生産研究家、ショーケース・ティービー共同創業者兼取締役副社長。九州大学卒。リクルートで新規事業開発を担当。その後、出版社や版権管理会社などを経て、ショーケース・ティービーを共同設立。図解思考、フレームワーク分析などビジネスパーソンの知的生産性研究にも取り組んでおり、国内外で執筆活動や講演でそのノウハウ普及を行う。

記事公開:2017年8月