「暗い声」や「不明瞭な声」は、あごの使い方だけでも改善できる
今回は、いい声を出すために、あご(顎)を上手に使う方法を紹介します。
ここまでの連載で、通りがよく、魅力的な声を出すには、口やのどの開き方、横隔膜の動かし方などに気を配ることが大切だという話をしてきましたが、あごを上手に使うだけでも、素敵な声が出せるようになります。
まずは、「暗い声」や「不明瞭な声」を、明るく、聞き取りやすい声にする方法です。
商談やプレゼンテーションで、どんなに内容のあるいい話をしたとしても、暗い声や不明瞭な声だったりすると、何となく熱意が感じられず、頼りなく思われてしまうものです。
原因はいくつかありますが、よく見受けるのは「口の周りの筋肉が動いていない」ケースです。中には、上唇が下唇に張り付いているのではないかと思うほど、口が動いていない方も少なくありません。
口が動かないと、どうしても口の開きそのものが小さくなり、口の中にできる空間も狭くなってしまいます。これでは音が響きづらくなるため、いい声は出ません。
しかも、唇を細かく動かしづらいため、言葉も不明瞭になってしまいます。
改善策の1つとして考えられるのは、口角を上げることです。多少無理をしても口角を上げれば、口の開きは大きくなり、はっきりとした声を出しやすくなります。
ところが、口角を上げることを意識しすぎると、口の周りの筋肉がガチガチに緊張してしまい、かえって言葉が不明瞭になってしまうこともあります。
そこでおすすめしたいのが、口角を上げるのではなく、あごの使い方によって口を大きく開く方法です。