声を出すのにも準備運動が欠かせない
1日の仕事の始まりを「朝会」でスタートする会社は、リモートワークが普及した今でも、意外と少なくないようです。直接顔を合わせる機会が減ったからこそ、なおさら朝ぐらいは“画面越し”に顔を合わせ、仕事の進捗状況を確認するだけでなく、部門としての連帯感を高めたいと考えるからでしょう。
「朝会」といえば、“進行役”がハキハキとした元気な声で「おはようございます!」と第一声を発し、場の雰囲気を整えるのがよくある光景です。まだ、頭も体も十分に働いていない時間帯なのに、「よくそんなに元気な声が出せるなぁ」と感心することもあるでしょう。
その半面、自分に“進行役”が回ってきたときに、「あんな元気な声が出せるだろうか?」と思う人もいるに違いありません。
特にリモート朝会の場合、寝起きからさほど時間がたっていない状態で参加することもあるので、通勤してから参加するリアル朝会のように、声を出す準備が整っていないことが多いものです。
どうしてもかすれた声や小声になってしまい、ただでさえ聞き取りにくくなりがちなリモートによる音声が、ますます聞き取りにくくなってしまいます。
それでも、朝会なら何とか「ご愛嬌」で済ませることができますが、大事なお客さまへの営業やプレゼンテーションで、かすれた声や小声を出してしまうのは望ましくありません。
これもリモートワークが普及した影響か、最近では朝の9時、10時といった早い時間帯にリモートでプレゼンテーションしてほしいというリクエストが増えているようです。通勤時間がなくなった分、お客さまのビジネスのスタート時間も前倒しになっているのです。
元気やツヤのない声で、聞き取りにくいマイク越しのプレゼンテーションを行っても、伝えたい思いはなかなか伝わりません。たとえ朝イチでも、相手に伝わりやすい、はっきりとした声が出せるように準備をしたいものです。
朝イチで声が出ないのは、声を出す準備ができていないからです。スポーツをする前に準備運動やストレッチが欠かせないように、声を出す前にも、しっかりと準備運動をしておくことが大切です。
そもそも声は、横隔膜や声帯、鼻、口、舌、唇など複数の器官が連動することによって発せられます。中でも声帯は、肺から出た空気を振動させることで、声の「もと」となる音をつくる重要な器官です。
声帯は筋肉の一種なので、きちんと使っておかないと、いざというときに十分に振動せず、相手に「聞き取りやすい」声が届きません。毎朝起きたら、声帯をきちんと動かすための簡単なトレーニングを行ってみましょう。