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実践! ビジネスボイトレ講座


仕事の成果につながる、「いい声」を手に入れる方法を紹介します。

vol.06 いい声を出すためのヒントは
動物の鳴きまねにあった!?

のどに力が入ると、声が通りにくくなる

誰かに話しかけるとき、のどが詰まる感じがして、声が出しにくいという経験がある人は多いのではないでしょうか。

例えば、朝目覚めて、家族に「おはよう!」と声をかけようとしたところ、うまく声が出ないというのはよくあることです。のどの筋肉が目覚めていなかったり、乾燥で声帯が乾いていたりすることが原因なので、普通はのどを潤したり時間が経てば声が出るようになります。

一方、時間の経過や乾燥などとは関係なく、のどの調子も悪くないのに、のどが詰まった感じがして、うまく声を出せないという方もいます。特に、営業や電話応対のように声を使って仕事をする人にとっては、うまく声が出せないのは気がかりでしょう。そんな方にアドバイスしたいのは、声を出すときに、意識して上半身やのどの力を抜くようにすることです。

のどが詰まったように感じるのは、声を発するときに、のどにグッと力を入れるクセがついているからです。

のどに力を入れると、つい上半身が力んでしまい、胸式呼吸になってしまいます。
胸式呼吸だと、肺に多くの空気を取り込めないため、どうしても声が浅くなってしまい、深みのあるはっきりとした音が出せません。

発声する際には、ひとまず全身の力を抜いてみましょう。そうすれば、のどの力も抜けて、通りのよい声が出せるようになります。

のどをラクにする!「パオーンぞうさん」とは?

全身の力を抜いて声を出すための練習法として、「パオーンぞうさん」を紹介します。

そう、あの「ぞうさん」です。身振り手振りで、ぞうのまねをしながら発声するので、人に見られると恥ずかしいかもしれません。誰も見ていないところで、思いっきりやってみてくださいね。

やり方は、以下の通りです。

  1. 上半身を前に倒して力を抜き、腕と頭はだらんと垂れた状態にする。
  2. ぞうの鼻をイメージして、腕を大きく前後にぶらりぶらりと振り、腕が頭の上にきたときに「パ」と声を出し、
  3. 続けて、腕を後ろに振りながら「オ~~~ン」と元気よく発声する。

2と3を2秒かけて行い、それを1セットとして5回繰り返します。

腕を前に振り上げて、後ろにぶらんと振り下ろすときに、腕の反動を感じながら声を乗せるようにしましょう。

力を抜いて声を出すためのトレーニング方法

この動作をすると、上半身に力を入れられない状態になるので、力を抜いて声を出す感覚を身につけるトレーニングとして最適です。

ちなみに、「パ」から始めるのは、瞬間的に勢いよく息を吐き出すことで、発声をしやすくするためです。破裂音である「パ」は、まず上唇と下唇を閉じて息を溜め、その後一気に吐き出すので、口が大きく開きやすくなります。その勢いを利用して「オ~~~ン」と続けると、はっきりとした声が出るようになるのです。また、口を大きく開くことで、表情筋が動くため、滑舌の改善にもつながります。

「カラスの鳴き声」で声の大きさを自在に操り、人を魅了する!?

動物の鳴きまねによる発声練習法は、他にもあります。もう1つ、「カラスの鳴き声」をまねして、いい声になる方法を紹介しましょう。

成績優秀な営業担当や、統率力のあるマネージャーなど、一流のビジネスパーソンは、仕事ができるだけでなく、声の強弱も場合によって使い分けています。絶妙な声の強弱が、まるで音楽を聴いているかのような心地よさを感じさせてくれるため、時には声を聞いているだけで思わずうっとりしてしまうこともあるでしょう。

そんな素敵な声であれば、営業先のお客さまや部下たちは、より話に耳を傾けてくれるようになるかもしれません。

では、声の強弱を巧みに操れるようになるには、どうすればいいのでしょうか。

ぜひ試していただきたいのが、「カラスの鳴き声」のものまねです。

やり方はいたってシンプルです。

  1. カラスの鳴き声をまねするイメージを持ち、
  2. 「カァ~~~~カァ~~~~」(大きい声で5秒)
  3. 「カァ~~~~カァ~~~~」(小さい声で5秒)

これを何度か繰り返します。

大きな声を出すときは、駅で反対側のプラットホームにいる人に声を届かせるようなイメージで、思い切って声を出してみてください。

小さな声を出すときは、発声の仕方はそのままに、吐く息の量を減らしてみましょう。実際にやってみると、声の大きさは吐く息の量でコントロールできることが分かると思います。

本物のカラスのように、よく伸びる声が出せるようになるまで、ぜひ練習してみてください。

「いい声」になるためのコツ

「パオーンぞうさん」で、
のどの詰まりを解消
「カラスの鳴き声」をまねて、
強弱のある声を手に入れる

PROFILE

秋竹 朋子
秋竹 朋子あきたけ・ともこ
ビジネスボイストレーニングスクール「ビジヴォ」代表。東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。ビジヴォの代表として、「声」「話し方」に問題を抱えるビジネスパーソンの指導を実施。音楽家・声楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初「超絶対音感」によるボイストレーニングが話題を呼び、TVほかマスコミ出演も多数。東京を拠点に全国各地で企業研修やセミナーを行う。著書に『1分間声トレ』『ビジネスがうまくいく発声法』など。

記事公開:2023年1月