「あっかんべぇ」で舌や口の周りをストレッチ
聞き取りやすい声とそうでない声との違いは、「大きさ」ばかりではありません。どんなに大きな声でも、言葉に詰まったり、滑らかに言葉が出なかったりすると、音がぶつ切れになって聞き取りにくくなってしまいます。
商談や営業など、大事なビジネスシーンでは、相手に話をしっかり聞いてもらえるように、なるべくよどみなく流暢に話をしたいものです。しかし緊張のあまり、うっかり言葉を噛んでしまうのはよくあること。多少噛んだからといって、相手はさほど気にしないので普通にしていればいいのですが、なかには気にして焦ってしまう方もいるでしょう。
結果、ますます緊張して、早口になり、普段なら問題なく話せる言葉まで噛んでしまうという悪循環に陥ってしまいがちです。
言葉を噛んでしまうのは、口や舌がうまく動いていないことが原因です。緊張のあまり、知らず知らずのうちに口や舌を動かす筋肉が硬くなり、自分の思い通りに動かなくなってしまいます。
硬くなった体をほぐすのにストレッチが有効であるように、緊張でこわばった口や舌を柔らかくするのにもストレッチが効果的です。
簡単で効果てきめんなストレッチ方法を紹介しましょう。
その前にまず、何も意識せずに「らりるれろ」と言ってみてください。
どうでしょう。「かなり難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ラ行は、舌を細かく動かすので、連続して発声するのが難しいのです。言い換えると、ラ行をはっきりと発音できるようになれば、滑舌よく話せるようになるでしょう。
さて、ラ行の難しさを感じたところで、次のようなトレーニングをしてみてください。
- 「あっかんべぇ~~~~~」と思いっきり舌を出し、下方向に2秒かけて伸ばす。
(声を出す必要はありません)
たったこれだけです。これを5回繰り返してみてください。
トレーニングが終わったら、もう一度「らりるれろ」と言ってみましょう。
どうですか。先ほどよりも簡単に、しかもはっきりと発声できたのではないでしょうか。
これは、ストレッチで伸ばした舌や口の周りが柔らかくなったからです。
言葉を噛みやすい人は、商談や会議の前に“準備運動”のつもりでこのストレッチを試してみましょう。
ちょっとしたことですが、効果を感じやすい方法なので、言葉を噛んでしまい、さらに緊張してしまうという悪循環からも逃れるきっかけになるかもしれません。