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What's this?

汚れのない美しい新聞を!
不屈の魂が生んだ画期的製品。

朝の食卓で、通勤電車で、そしてオフィスで、
毎日多くの人に読まれている新聞。
汚れやかすれのない印刷の美しさが、
情報のクオリティーと鮮度をさらに演出してくれます。
今回のWhat’s thisでは新聞の美しい仕上がりを支える
オンリーワンの製品をご紹介します。
苦闘の連続だった開発秘話を交えながら
富士フイルムの底力を感じてください。

新聞大国日本を支えている、
高度なオフセット印刷。

発行部数4,300万部※1。これ、何の数字だか分かりますか? 実は日本国内の新聞の1日あたりの発行部数なんです。スマートフォンやタブレットなどのITデバイスを誰もが使えるようになった現代社会ですが、新聞はいまだに新鮮で信頼できる情報を人々に届ける媒体として多くの読者を獲得しています。特に日本は新聞が好きなお国柄のようで、世界の新聞発行部数ランキングでは、上位10社のうち5社を日本の新聞社が占めているほどです※2
このように、大ロット、しかも圧倒的なスピードで印刷する必要がある新聞ですが、印刷の方式はポスターやチラシなどの商業印刷と同じ「オフセット印刷」と呼ばれるもの。薄いアルミ板に文字や画像を焼き付けた版、つまりハンコを作成し、そこに乗せたインクを紙に転写することで印刷を行います。この印刷版は「CTPプレート」と呼ばれ、長年に渡って富士フイルムの主力製品となっています。
このように、CTPプレートは商業印刷でも新聞印刷でもオフセット印刷には欠かせない重要な資材ですが、実は商業印刷では実現できても、新聞印刷ではどうしても克服できない課題がありました。


※1 一般社団法人日本新聞協会資料より
http://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php

※2 Factboxより
http://factboxglobal.com/world-newspaper-2013

汚れのない美しい新聞を。
妥協を許さない挑戦が始まった。

それがCTPプレートの“無処理化”です。通常、CTPプレートに文字や画像を焼き付けて版を作る際には、写真フィルムと同じように、特別な機材や薬品を用いた現像工程が必要です。ところが「無処理CTPシステム」では、印刷機上で湿し水と呼ばれる薬品の浸透とインクの粘着により現像処理を進めるので、独立した現像工程が不要に。コストや環境負荷が減るのはもちろん、工程の削減により業務効率向上にもつながるという優れものです。富士フイルムでは2006年よりこのシステムを発売し、印刷現場の改善を後押ししてきました。しかし、版のサイズよりも大きなロール紙を使う新聞印刷の現場では、インクが付着した版のエッジ部分が紙に接触してしまい、新聞紙の端にインクの筋がついてしまいます。専用の現像機を使えばクリアできる問題なのですが、従来の無処理CTPシステムのメカニズムでは解決困難でした。
「大量の印刷をスピーディーに終わらせなければならない新聞印刷を無処理化できたら、その効果は計り知れない。なんとかならないものだろうか」という大手新聞社からの相談を受け、富士フイルムは2011年より新聞用無処理版の研究に着手することになりました。業界初の挑戦は、想像以上の困難の連続でした。化合物の設計から製造、テスト結果の分析まで、各分野のスペシャリストが集い、来る日も来る日も議論をする毎日。その中でようやく見えてきた一筋の光明が、「エッジ部分にあらかじめ、インクがつかないような特殊コーティングを施す」ということ。なんだ、そんなことかと思ったら大間違い。コーティングが文字や画像にかからないようにするため、その幅は数ミリ以内に収めなくてはならないのです。どのメーカーでも簡単にできることではありません。富士フイルムはこれまでの実績から、コーティングを極めて高い精度で制御できるという確信があったからこそ踏み出せたのです。いわば、過去の実績が背中を押した大きな挑戦でした。

■現像あり・なしの工程比較

CTPプレート表面には、特定の光を当てることで反応を起こす薄膜(感光層)が塗布されており、文字や画像などインクを乗せたい箇所にあわせてレーザー光を照射する(露光)。そして、インクを乗せたくない領域は、露光後の現像処理で感光層を除去する。無処理CTPでは、レーザー光でパターンを焼き付けた後、直接印刷機に版をセットすることができる。印刷機を回し始めてすぐに、露光部以外の感光層は湿し水の浸透とインクの粘着により剥がされ、印刷紙面にインクと共に排出されるという仕組みになっている。

幾多の試練を乗り越え、
2015年、ついに発売。

「エッジ部分へのコーティング」という方針の採用により、開発プロジェクトは大きく前進します。しかしながら正式導入の目前、新聞社工場での試験運用段階で思わぬトラブルが発生したのです。当時の担当者の一人は、「導入のタイムリミットが迫る中、延べ100人ものメンバーが毎晩のように朝刊印刷の現場に立ち会い、試験運用を続けました。常に緊張の連続で、業務の引き継ぎはまるで駅伝のタスキを渡すような気持ちでいました」と語ります。
こうした苦難を乗り越えて2015年に発売されたのが、新聞用完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZN」。お披露目の展示会では大量に用意したカタログが品切れになるほどの盛況ぶり。大手新聞社にも導入され、従来と遜色ない品質だけではなく、環境性能とコスト削減の双方も実現できた、と高い評価をいただくことができました。さらに2016年には日本新聞協会より「技術開発賞」を受賞。機器やシステムではなく「資材」が受賞したのは、これが初めてのことです。
2017年6月時点で、新聞印刷の無処理CTPシステムの開発に成功しているのは富士フイルムだけ。これからも業界のパイオニアとしての責任と誇りを胸に、常に現場の声に耳を傾け、より良い製品づくりを目指していきます。

「SUPERIA ZN」に関する情報はこちら

記事公開:2017年6月