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What's this?

業界待望のレンズに映るのは、
映像文化の新世紀!!

「より美しく、より鮮やかにイメージ通りのシーンを撮りたい」
それは、全ての映像制作者に共通する夢。
しかし、その夢を実現するために必要なシネマレンズは高価で扱いが難しく、
誰もが手軽に撮影、というわけにはいきませんでした。
その壁を突き崩したのが富士フイルムのFUJINON MKレンズシリーズです。
このレンズが、映像制作の現場に衝撃を与えた理由にフォーカスしてみましょう。

シネマレンズで撮影したい!
現場の想いに応えるレンズ。

TV番組向けの放送用ビデオカメラ機材と映画撮影用のシネマカメラ機材は、撮影内容が異なることから、別々に進化してきました。レンズも例外ではありません。ロケやスポーツ中継などに使用される放送用レンズには、一本でさまざまな対象を撮影するために、最高で100倍クラスという高倍率のズーム機能を持つレンズもありますが、映画撮影ではカットごとに撮る対象やアングルが決まっているため、ズームのきかない単焦点レンズや10倍以下のズームレンズが主流でした。そして最も大きな違いは、イメージセンサーです。シネマカメラは高画質と美しいボケ味を実現するために大きなサイズのイメージセンサーを使用しています。これに合わせてレンズ設計を行うため、シネマレンズは、大きく、重く、そして高価でした。シネマ品質の美しい映像にあこがれるものの手が出ない――映像制作に携わる個人や、小規模な制作会社にとっての悩みでした。

ところが近年、Webの動画配信サービスなどが普及したことで、映像の撮影ニーズが一気に増加。これに応える形で、高画質と扱いやすさを両立した小型シネマカメラが登場しました。多くのクリエイターが、今ではこうしたカメラで映像を撮影していますが、問題はレンズ。手持ちのスチルカメラ用レンズを流用して撮影しているケースが非常に多いのです。理由は、適切なレンズが存在しないのと、コストを抑えるためでした。しかし、静止画の撮影用レンズでは機能が不足するシーンも多く、クオリティを求める映像制作の現場では不満の声が高まっていました。こうした不満を解消して作品のクオリティを高めるためには、どうすればいいのか――コンシューマー向けからプロ向けまで、レンズを知り尽くした富士フイルムの答えがFUJINON MKシリーズです。このレンズが、国内外のクリエイターに強烈なインパクトを与えた理由についてお話ししましょう。

シネレンズに関する情報はこちら

FUJINON MK18-55mm T2.9

クリエイターが求めていた 
機能とコストパフォーマンス。

FUJINON MKシリーズの開発に際して、ライバルに設定したのはシネマレンズではなく、スチルカメラ用レンズでした。シネマレンズのクオリティはそのままに、スチルカメラ用レンズ並みのコストパフォーマンスと機動力を目指したのです。まず着手したのが小型・軽量化。筐体に樹脂を採用することで重量を1キロ以下に抑えました。さらに、2本のズームレンズで18~135mmをカバーし、さまざまな撮影シーンで使われる幅広い焦点距離に対応できるようにしました。というと簡単そうに聞こえますが、動画の撮影では静止画とは異なり、ズーミング中に焦点が移動することは許されません。スチルカメラ用ズームレンズと比べて、光学設計は圧倒的に複雑になります。また、スチルカメラ用レンズは静止画を撮るために設計されているので、撮影中にフォーカス位置を変更することは想定していません。一方、動画では印象的なシーンでフォーカス位置を変更することがあるため、フォーカス位置変更時の画角変動を抑制する必要があります。ここでも精緻な光学設計が必要になります。
コンパクトなボディにシネマレンズの機能と品質を搭載したMKレンズシリーズは、スチルカメラ用レンズに満足できない多くのクリエイターが待ち望んでいたレンズだったのです。

■ ズーミング時の焦点移動を抑制

一般的なスチルカメラ用のレンズでは、ズーミングの際に焦点が移動してしまうが、FUJINON MKシリーズでは、ズーミング時の焦点の移動を抑制している。

■ ズーミング時の光軸ずれを抑制

一般的なスチルカメラ用のレンズでは、ズーミングの際に被写体の中心位置がずれる「光軸ずれ」が生じるが、FUJINON MKシリーズでは、ズーミング時の光軸ずれを抑制している。

■ フォーカス時の画角の変動を抑制

一般的なスチルカメラ用のレンズでは、フォーカス時に不自然な画角の変動が発生するが、MKレンズシリーズでは、フォーカス時の画角の変動を抑制している。

レンズによる映像の進化が 
新たな文化の潮流を生む。

スポーツ中継など、リアルな状況を伝えることを主眼とする放送用カメラでは、被写体深度を深めに設定してフラットな画面を撮りたいというニーズが高く、背景をぼかすことはまれです。しかし、映画や動画作品の撮影においては、クリエイターの意図を反映して対象にフォーカスするため、被写体深度を浅くしてボケ味を活かすテクニックを多用します。
FUJINON MKシリーズのレンズは18-55mm、50-135mmの焦点距離の全域でT2.9の明るさを実現。こうした演出も、ライティングを再調整することなく簡単に実現できるのです。その優れたコストパフォーマンスと機動力は、映像の現場に大きな変革を起こすかもしれません。
かつてグーテンベルクが発明した印刷技術により書籍が流通し、文化の大衆化がルネサンスを起こしたように、新たな潮流へとつながるかもしれないのです。すでにTVドラマ業界においては、背景のボケを活かした映画のような作品が登場しています。また、Web上の動画広告など、さまざまな映像作品が美しく進化することで、視聴者の感動はより高まり、共感の輪が広がります。ハイクオリティな映像と機動性、低コストを並立したFUJINON MKシリーズ。そのレンズが映すのは、クリエイターが追求する映像表現の新しい形です。

【取材協力/富士フイルム株式会社 光学・電子映像事業部 野口 卓弥】

記事公開:2017年7月
情報は公開時点のものです