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What's this?

エレクトロニクスも、バイオも!
インクジェットが技術の進化をリード

インクジェットプリンターは年に一度、家で年賀状を
印刷する時に使うもの、というのは大きな誤解です。
今、最先端のインクジェット技術が印刷領域を超えて、エレクトロニクスや
再生医療といった幅広い産業分野でイノベーションを起こしつつあります。
中でも、最先端のインクジェット技術を搭載した
マテリアルプリンター「DMP-2831」は開発者の夢を加速中!
その理由を教えましょう。

モノづくりのプロセスに
イノベーションを起こすインクジェット技術

インクジェットプリンターの原理を改めて説明すると、「微小な液滴を非接触かつダイレクトに飛ばして印刷する技術」となります。家庭用のプリンターとして普及しているため、多くの人が、年賀状や写真などの私的な印刷に使う、いわばレーザープリンターの簡易版というイメージを持っているかもしれません。でも、それは大きな誤解。インクをスプレーのようにただ吹き付けるだけでは、高解像度の美しい文字や画像を表現することはできません。複数のインク滴を優れた制御技術で正確に吐出コントロールすることが求められるのです。しかも、ユーザーがストレスを感じないようにハイスピードで印刷する必要もあります。一見シンプルに見えるインクジェットプリンターは、ハイレベルなケミカル技術をはじめ、システム設計技術や画像技術など、さまざまな技術の結晶なのです。
そして今、インクジェットプリンターは、紙だけでなくフィルムからテキスタイル(布地)までの幅広い素材に、樹脂や金属インクなどのこれまた多様な液体材料を吐出できるシステムとして、用途がますます拡大。インクジェット技術の持つ高いポテンシャルが、幅広い産業領域で活用され、モノづくりのプロセスにイノベーションを起こしています。

富士フイルムにおけるインクジェットの展開例(作成サンプル)

使い切りのカートリッジという
逆転の発想が開発を加速

では早速、独自のインクジェット技術を搭載した富士フイルムのあるプリンターをご紹介しましょう。その名も、マテリアルプリンター「DMP-2831」。マテリアルプリンターという名が示す通り、紙にインクを吹き付けて画像を出力するのではなく、プラスチック・ガラス・金属シート・シリコン・細胞膜・ゲル・薄膜など、さまざまな素材の上にマテリアル=液体材料を正確に吐出する産業用のインクジェットプリンターです。「液体」と言っても、その種類は、水ベースから溶剤ベース、さらには微細な粒子の混じった液体までと実に多彩。それらをインクカートリッジに充填して塗布・積層することができるマルチなインクジェットプリンターなのです。
この「DMP-2831」の最大の特性は、専用インクカートリッジを使い切りにしたこと。もったいない、と感じるかもしれませんが、従来の実験開発用プリンターではテストをするたびに洗浄液を使ってインクジェットヘッドを洗っていました。それを使い切りカートリッジの1回交換にすることで、液の混合によるリスクを100%排除し、場合によっては高価なものになる液体が少量で済むのです。(例:金、銀などナノ金属インク) 洗浄の手間も省け、交換するだけで次々に実験できるため、作業スピードが向上するという効果もあります。よけいな廃液を出さずに済むことも大きなメリットと言えるでしょう。さらに、このカートリッジヘッドが吐出する液体の粒は1秒あたりなんと150億滴に上ります。
では次に、「DMP-2831」がどのような分野で活躍しているかをお話しします。

マテリアルプリンター「DMP-2831」
マテリアルプリンター「DMP-2831」は、研究・開発用途の標準的なインクジェット装置としてすでに多くの企業や大学などで利用されていることから、2012年には「プリンタブルエレクトロニクス大賞」を受賞している。
マテリアルカートリッジ
カートリッジを入れ替えるだけで液を交換できるマテリアルカートリッジ。溶剤系、UV系、水系の広範な液の種類に適合している。

異なる技術領域を融合して
社会そのものを変えていく

薄いフィルム基材や曲面、凹凸のある素材まで、さまざまな素材に液滴「マテリアル」をプリントできる「DMP-2831」。モノづくりの最前線で求められる高水準の「汎用性」「操作性」「経済性」も高く評価され、幅広い産業で活用されつつあります。最も活用されているのが、研究・開発現場。企業の製品開発部門をはじめ大学や公的機関など、すでに世界中のさまざまな研究機関へ多数の導入実績を誇っています。研究内容はその多くがトップシークレットのため、お伝えできないのが残念ですが、一例がライフサイエンス分野です。再生医療分野においては、細胞や生体材料を3Dプリント技術で立体的に成形するバイオプリンティングの研究が進んでいます。また、バイオプリンティング技術に、半導体の電子回路製造に用いられるプリンタブルエレクトロニクスの技術を組み合わせて、バイオセンサーを開発するなど、境界を超えた技術開発が実現しつつあります。「DMP-2831」も、そのような最前線の研究分野で活躍しています。
近い将来、富士フイルムのインクジェット技術(FUJIFILM INKJET TECHNOLOGY)が起こしたイノベーションから生まれた製品たちが、暮らしを大きく変えていくかもしれません。モノづくりの革新は、もう始まっています。

【取材協力/富士フイルム株式会社・インクジェット事業部】

記事公開:2017年8月