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What's this?

見えない脅威を「使える安心」に。
開発者の目線が
生活を支える電子機器を世に送る。

電子機器が世の中に出荷されるまでには、
数々の品質試験をパスしなければなりません。
その一つが、EMC測定(電磁環境適合性測定)と呼ばれるもの。
富士フイルムでは高い精度のEMC測定を行っており、
その品質は海外の認証機関からもお墨付き。
今回は、あまり聞きなれない、けれども電子機器と生きていくためには
欠かせないEMC測定についてご紹介いたします。

全ての電子機器は
電磁波を発信している。

家庭のテレビから冷蔵庫、電子レンジ、オフィスではパソコンや事務機器など、私たちの社会のありとあらゆるシーンを支えている電子機器。誰もが当たり前のように使っていますが、これらの製品、ある測定試験をクリアしなければ世の中に出回ることがないのです。
それが、電子機器が外部に発信する電磁波のレベルと、その逆に他の電子機器から受ける電磁波の影響を測定する「EMC測定」。電磁波といえば携帯電話や無線LANを思い浮かべる人も多いと思いますが、実は全ての電子機器は、大小の差はあれみんな電波を発しているのです。電波を強く発信する機器が周りにあると、その影響によって他の機器が誤作動することがあります。皆さんも飛行機に乗った時、「電子機器の使用はできません」というアナウンスを聞いたことがあると思いますが、これは皆さんの電子機器によって飛行機に搭載された電子機器が影響を受けないようにするためです。

電子機器から発信される電磁波のレベルを規定したものを「EMI :Electromagnetic Interference(電磁波妨害)」、逆にどれだけ外部からの電磁波妨害に耐えられるかという、ノイズ耐性を規定したものを「EMS: Electromagnetic Susceptibility(電磁感受性)」といいます。EMC測定の「EMC」とは、「Electromagnetic Compatibility(電磁両極性)」の略で、EMI、EMS、それぞれについてチェックし、人間社会が電子機器と安心して共存できる環境を確保するものです。

「EMC測定」に関する詳しい情報はこちら

メーカー母体のEMCセンター
だからできること。

EMC測定を重視する動きは1990年前後に欧州で強まり、それを受けて日本国内でも徐々に規制化する動きが出てきました。こうした背景とともに、富士フイルムでは安全性が特に重視される医療機器の製造や新製品開発のスピードアップを目指し、それまで外部で行っていたEMC測定を自社で行う方針を決定。試行錯誤の末、2007年に本格稼働したのが、神奈川県南足柄市のEMCセンターです。EMCセンターでは、2005年に建屋が完成したのち、試験の運用手順からスタッフの知識レベル、情報の機密性などに関する管理および指導を1年以上かけて強化し、国際的な認証資格「ISO17025」を取得。現在では世界各国に通用する試験所として、自社製品だけではなく医療機器をはじめ、印刷機器、モータードライバー、タッチパネル、パソコン、プリンタなど幅広いメーカーの機器の測定を行っています。

「ISO17025」を取得している試験所は国内にも数多くありますが、富士フイルムのEMCセンターは大きく二つの特長があります。一つ目、それは「本来の利用シーンに近い環境を想定して試験を行う」ということ。例えば、他の試験所では電源のスタンバイモードでの測定のみで終了していたものを、EMCセンターではスタンバイモードから起動後までの測定を実施。納品先の利用シーンに即した状況で測定することで、メーカー様から高い評価を得ることができました。こうした厳しい目を持てるのは富士フイルム自体が機器を開発しているメーカーであるからに他なりません。製品開発において本当に必要な測定値とは、試験所という限定された環境下ではなく、実際に納品された現場で電子機器がどのように電磁波を出すか、あるいは電磁波から影響を受けるか、ということ。測定者目線ではなく、開発者目線を徹底しているからこそ、シビアな測定を実施できるのです。

二つ目の特長は、EMCセンターが安全規格の申請も行える日本でも数少ない試験所であり、安全規格の適合への影響度を含めたアドバイスができるというもの。例えば、開発中のある電子機器の「感電」についてEMCセンターが測定・評価を請け負ったとします。EMCの観点だけで考えると、電子機器からノイズを外部に発信したくないため、できるだけ電気を逃がす設計を示唆することになります。しかし安全規格という観点で考えると、感電を防止するためにいかに電気を外に逃がさないか、が重要となります。メーカー様が自信を持って市場に電子機器を提供するには、当然ながら両方のバランスを考慮することが大切。EMCセンターでは安全面とEMC双方の観点から課題点を提示することができるため、品質や開発納期などにおいて大きなメリットを提供することができるのです。

■10m法電波暗室

■シールドルーム

優秀な人材を育て、
お客様のモノづくりをサポート。

現在EMCセンターでは、試験・評価レベルの向上と、メーカー様の開発現場での課題に対して的確な助言ができるような人材の育成に力を注いでいます。その取り組みの一つとして、グローバルな技術資格であるiNARTE(The International Association for Radio, Telecommunications and Electromagnetics)の保持者増員を目標として掲げています。
どれほど先進的な測定装置を導入しても、最終的にはそれを使用するスタッフの厳しい目がなければ正しい測定はできません。また試験以外の場面では、EMCセンターのスタッフは安全規格、そしてEMC双方の専門知識を有したお客様の頼れるアドバイザーとして、製品開発に貢献することが求められています。まさに、モノづくりはヒトづくり。これからもEMCセンターは優秀な人材の確保、育成に努め、日本のモノづくりを支えていきます。

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【取材協力/富士フイルムテクノプロダクツ株式会社 技術本部 規格部】

記事公開:2017年10月