重要なファイルの入ったノートPCにコーヒーが!
デジカメのSDカードが破損!
なぜかデータをバックアップしていない時に限って
想定外の緊急事態が起きてしまうもの。
でも、そんな時こそ落ち着いてください。
どうしてもデータを救いたいなら
自分で何とかしようとしないで
できるだけ急いでプロに任せましょう。
その理由をデータ復旧のカリスマが明かします。
What's this?
データ破損のピンチを救う。
フロッピーディスクの時代から
培われてきたデータ修復の
最後の砦!
「お客さまの役に立ちたい」という
思いが修復サービスを事業化
仕事で使うドキュメント、家族との思い出の写真やお気に入りの音楽など、現在、私たちは大切なものの多くをデジタルデータで保存・管理しています。データは紙のように破れることも、経年劣化することもありません。でも、万一バックアップを取る前のデータを収めた記録メディアが故障してしまったら、どうすればいいのでしょうか。富士フイルムは、1977年に国産初のフロッピーディスクを発売し、1990年代半ばには100MBという大容量を実現したリムーバブルディスクの開発にも関わった記録メディアのメーカーです。その技術と経験を活かしてデータ修復サービスを始めたのは、ある出来事がきっかけでした。
フロッピーディスク全盛期のある日、営業から製造部へ、とある相談が持ち込まれました。聞けば、某新聞社の記者がフロッピーの上に飲み物をこぼしてしまい、せっかく書いた原稿が読み取れなくなってしまった、とのこと。そこで技術者たちは、フロッピーを分解・洗浄して乾かし、データを取り出した後、手作業で直して修復に成功しました。そして、同じようにデータが読めずに困っているお客さまのため、自分たちの技術を役立てたい。その思いから修復サービスの事業化がスタートしたのです。
■データ修復サービスの対象
SDカード、microSD、メモリースティック、コンパクトフラッシュ、USBメモリ、xDピクチャーカード、スマートメディアなどのメモリ製品、HDD(NAS等を含む)、光ディスク(CD・DVD)ほか、あらゆる記録メディアに対応しています。
お客さまに支持される理由は
きめ細かなサービスと信頼
故障した記録メディアを修復するためには、フォーマットやファイルシステムなど、データをどこに記録して、どう管理するのか、という規格に関する知識が必要になります。富士フイルムは、フロッピーディスクをはじめとするさまざまな記録メディアの製造や品質管理において蓄積した技術とノウハウを活用して、安心確実なデータ修復サービスに取り組んできました。また、通常は欠損が残ったデータは廃棄しますが、思い出の写真などの大事なデータであれば、あえて欠損データもお渡しする。修復前に確認できたデータと修復後のデータのフォルダを分けるといったきめ細かなサービスも、お客さまに高く評価されています。
そしてもうひとつ、このサービスが幅広いお客さまから支持されている理由は、「富士フイルム」というブランドの安心感です。修復の現場はプライバシーマークの取得にとどまらず、二重の厳しいセキュリティーに守られた環境で部外者が立ち入ることはできません。また、以前、あるメーカーから「故障したハードディスクを取りに来てほしい」というご要望がありました。「新製品の設計図が入っているので、宅配便で送りたくない」という事情です。そこで富士フイルムでは、直接お客さまのもとへハードディスクを受け取りに伺い、無事に復旧した後、また直接お届けしました。社外秘や個人情報に関わるデータをお預かりすることが多いので、信頼にお応えすることが大切なサービスです。
目指すのは
データ修復の必要がない未来
記録メディアの“記録”の仕組みを分かりやすく言うと、内部にたくさんの“番地”が割り振られた区画があり、それぞれに異なる情報が書きこまれています。各“番地”に正しい情報が残っていればその情報を呼び出せますが、一度上書きしてしまうと、修復は不可能です。市販の修復ソフトでも軽度の障害であれば復旧できますが、本当に欲しいデータを上書きしてしまう場合もあります。もし、記録メディアに不具合が生じたら、お客さま自身で復旧を試みる前に、プロフェッショナルに相談してください。
現在、富士フイルムへの修復依頼の9割はカメラ店を経由して持ち込まれるSDカードです。誤ってデータを削除したり、カードを水没させたりしても、記録メディアが物理的に破損していなければ、修復できる見込みは十分あります。でも、データ修復サービスは最後の砦です。不測の事態が起きる前に、大切なデータはバックアップを取るように心がけたいものです。
近い将来、クラウドやIoTなど新しい技術の普及によって、記録メディアのデータが損失するような事故は減っていくでしょう。やがてデータ修復サービスがその役目を終える日も来るかもしれません。それは喜ぶべき進化。なぜなら、その未来につながる技術を開発しているのも、私たち富士フイルムだからです。
■ 「データ修復サービス」に関する情報はこちら
【取材協力/株式会社 富士フイルム メディアクレスト】
記事公開:2018年3月
情報は公開時点のものです