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仕事の効率をアップさせ
信頼度を高めるビジネスメールのポイントを解説します。

仕事が速くなる
ビジネスメール術

仕事が速くなるビジネスメール術

vol.07

仕事の評価に直結する!
メールを送るベストなタイミングとは。

仕事が速くなるビジネスメール術

メールの返信が遅ければ
「仕事ができない人」と評価される!?

メールは自分の好きな時間に送り、都合の良い時間に読めるのが利点のツールです。しかし、ビジネスメールにおいては、メールを送る“タイミング”も重要になります。私がそのことに気づいたのは、ある人のメールを添削したことがきっかけでした。その人のメールは内容やビジュアルなどは満点に近いクオリティだったにもかかわらず、なぜか仕事の実績につながっておらず、会社からの評価もイマイチだったのです。

その原因が、メールを送る“タイミング”でした。その人はメールを送るタイミングがいつも遅いために、仕事相手とのペースが合わず、ビジネスチャンスを逃していたのです。

例えば、お客さまと商談をして良い感触が得られたとしても、フォローのメールが1週間後になってしまえば、その頃には商品やサービスの印象は薄くなっているでしょう。また、クレームを受けたにもかかわらず何日も経ってからメールを返信しているようでは、いくら誠意を持って対応したとしても相手の怒りや不満を増幅させてしまいます。

このように、どんなに内容が素晴らしいメールを作成できたとしても、送るタイミングを逃してしまうだけで効果は低下し、社内や仕事相手からの信用も失うことになってしまうのです。

メールを送るベストタイミングは「翌日」まで!

基本的に、メールを送るベストタイミングは「翌日」までだと考えてください。

例えば、打ち合わせをしたら、その日のうちか翌日の午前中までにお礼とともに打ち合わせの議事録を送信すると、相手に「対応が速い」という印象を与えることができるでしょう。セミナーなどを主催した場合も、翌日の午前中までに参加者にお礼のメールを送ることで、誠意を持って運営している主催者であることが伝わります。

相手から送られてきたメールに返信する場合も同様です。返信の期限が書かれていないメールであれば「自分のタイミングで返信してもいいんじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、社会人であれば「1日に1回はメールをチェックするはず」という共通の認識があります。それにもかかわらず、期限を設定するほどでもない簡単な用件のメールの返信が1日経ってもこないと、相手に「返信できるのに無視された」「対応が遅い人なのだろうか」といった悪い印象を与えることにつながります。

とはいえ、すぐにメールを確認できないことや、返信の内容を検討するのに時間がかかることもあるでしょう。そのときは、ひとまず受領した旨を記載して返信するようにしましょう。

相手のことを考慮して
効果的なタイミングを考えてみる

さらに、仕事の速い人は相手の仕事の状況を推測し、一番効果的なタイミングを考えてメールを送信しています。

例えば、相手の業務終了時刻が迫ったタイミングでメールを送った場合、読んでもらえるのは翌日になる可能性が高くなります。そういった事情を考慮し、相手が余裕を持って対応できる時間帯や曜日などを見計らってメールを送っているのです。

そうした意味では、金曜日に送るメールは特に注意が必要です。できるだけ仕事を翌週に持ち越したくないので、多少無理をしてでもメールを送ってから帰るという人は少なくありません。

しかしその結果、相手が月曜の朝に出社したときには、受信トレイが新着メールでいっぱいになっています。扱うメールが多くなると、一つひとつの処理が雑になったり、目を通しても返信を忘れてしまったりする可能性があります。そのため、自分のメールが他のメールにまぎれて見落とされたり、後回しにされたりするリスクが高まる金曜日の夕方に重要なメールを送るのは避けたほうが良いと言えるでしょう。

メール送付は相手への配慮を忘れずに

また、あえてベストタイミングを外し、メールの返信を遅らせたほうが良いケースもあります。例えば、交渉中の案件で相手が無理な要求をしてきたときに、すぐに返信してしまうと十分に検討しないで結論を出したと思われてしまいかねません。そのため、すでに結論が出ていたとしても2〜3日返信を遅らせることで、“熟慮”した結果と思わせることができます。

このように、円滑に仕事を進める上で、メールを送るタイミングは重要なカギとなります。メールを作成するときにはメールを送る「目的」を意識する重要性は過去の連載でも解説したとおりですが、「目的」を考えればメールを送信する最適なタイミングも見えてくるはずです。

PROFILE

平野 友朗
平野 友朗ひらの・ともあき
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事。株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て、独立。ビジネスメール教育の第一人者として、研修などでの講演は年間150回以上、テレビや新聞などのメディア出演は1500以上に達する。官公庁や民間企業など、業種や業態、職種を問わず、幅広い年齢層に向けた指導やコンサルティングを行っている。著書は37冊。

記事公開:2024年3月