部下の言葉をうのみにしない
「先月始まったプロジェクト、うまく進んでる?」と部下に仕事の進捗を尋ねてみると、「え、えぇ、まぁ順調です……」という返事。順調という言葉とは裏腹に、口調も表情もいまひとつさえない。でも本人が良いと言うなら、と思って放っておいたら実は問題が深刻化していた……。そんな経験をしたことはありませんか? このような分かりやすい例でなくても、口に出すことと思っていることが異なっている場合が誰しもよくあると思います。言葉を額面通りに受け取ったり、違和感を覚えても「本人がそう言うなら、まぁいいか」などと放っておいたりすると、後で取り返しのつかない事態にもなりかねません。
上司として「私は確認したが、部下が大丈夫と言ったから何もしなかった」という弁解は、まず通用しないはずです。部下の言葉に隠れた心理をとらえ、的確にフォローすることも、管理職に求められているのです。そこで必要になるのが、コーチングの4大スキルの中の「フィードバック」。これを身に付けていれば、仕事の成果が上がることはもちろん、「この上司は私のことを分かってくれている!」と部下からの信頼を得ることもできます。そして効果の高いフィードバックをするために重要なのは、観察力にほかなりません。そこで今回は、部下の本音をとらえるために必要な、観察力とフィードバックのポイントを紹介します。