火事場の馬鹿力こそ本来の力!?
固定観念を壊し逆境を乗り越える
ビジネスでは、物事が順調に進むときもあればそうでないときもあります。ですからあらゆるトラブルを予測して対策を練っていたとしても、全く想定外の事態が起こりえます。
人は「自分は準備万端だ」という思いが強いほど油断しやすくなり、予想していなかった事態が起きたときに、慌てたり、混乱したりしてしまいがち。もしもそんな精神状態で対処すれば、かえって事態を悪化させることにもなりかねません。
一般的に、仕事で問題が生じたときには「何が足りなかった」のかを考えることから始めがちです。一方、コーチングの考え方では、「どうすれば解決できるか?」という視点で、過去の経験から強みやリソースを引き出し、事態の解決策を探っていくのが効果的と捉えます。
「火事場の馬鹿力」という言葉はご存じだと思います。非常時に、普段では考えられないような力を無意識に発揮することを例えた表現です。しかし、その「馬鹿力」こそが本来の能力だとも考えられます。普段はさまざまな思惑や固定観念などにとらわれ、逆に自分の力を制限している可能性があるのです。
つまり、トラブルに遭遇したときこそ、その人の実力が発揮されるチャンスであるといってもよいでしょう。そしてその本来の能力を引き出すのがコーチングです。そこで今回は、部下や後輩が逆境を乗り越える力を引き出すコーチングの手法を紹介します。