次は、箇条書きを階層化するポイントについて説明します。箇条書きを階層構造にすると、1階層の箇条書きよりも詳細な情報を整理し、より分かりやすく伝えることができます。ただし、階層が多ければよいというわけではありません。最大でも「3階層」までと覚えておきましょう。
箇条書きの階層構造の例
箇条書きの階層作りは難しい印象があるかもしれませんが、実は代表的な次の3つのパターンを活用すると作りやすくなります。
因果関係
第1階層で事実や主張を示し、第2階層でその原因や理由を示すパターンです。1つの事実や主張の背景に、複数の原因や理由がある場合に適しています。
詳細
第1階層に事実や主張の概要を示し、第2階層にその内容の詳細情報を示すパターンです。第1階層に詳細情報まで書いてしまうと文が長くなるため、第1階層には概要のみを書き、第2階層で詳細情報を書くようにします。
事例
第1階層で示した内容の具体的な事例を、第2階層で示すパターンです。具体的な事例を示すことで、説得力を高めます。「詳細」との違いは、「詳細」が第1階層の情報を網羅的に説明するのに対し、「事例」は代表的な事例の紹介にとどまることです。
階層パターンの例
このように、示したい情報が当てはまるパターンに合わせて階層を作ることで、読み手にとって分かりやすい箇条書きを作成することが可能になります。
また、箇条書きを作成する上で便利なのが、「小見出し」を付けることです。ここでいう「小見出し」とは、それぞれの箇条書きの「タイトル」の役割を果たすもの。小見出しを付けることで、箇条書きの大まかな内容を素早く理解できるようになり、読み手の負担を減らすことが可能になります。
小見出しを付けた例
ここまでスライドの表現方法で最も基本となる箇条書きのメリットや、書き方のルール、階層化などを解説しました。苦手な人も多い箇条書きですが、ポイントやコツを押さえて繰り返し書いていると、次第に上手になって、情報が整理された一人歩きする資料を作成できるようになるでしょう。まずは通常の文章を書くことから始めてみましょう。
次回は、スライドの表現方法で箇条書きと同じく苦手意識を持つ人が多い「図解」について解説します。図解には、「読み手が見た瞬間に内容を把握できる」「感覚的に論理を理解できる」という大きなメリットがあります。図の選び方や作り方などについて、詳しく説明していきます。