スライドタイトルは「主張なし」で簡潔に!が鉄則
前回は一人歩きする資料作りに必要な「ストーリー作り」のうち、構成、枚数を決めるコツや手順を紹介しました。今回は各スライドの「スライドタイトル」と「スライドメッセージ」、そして「スライドタイプ」の決め方を紹介します。
スライドタイトルとは、スライドの最上部に配置し、スライドの内容を簡潔に相手に示すものです。適切なスライドタイトルがついていると、相手は一瞬でそのスライドの内容を理解することができます。
そして、スライドメッセージは、スライドタイトルの下に入れるテキストのこと。そのスライドが主張していることを相手にわかりやすく伝える役割を持っています。
つまり、具体的でわかりやすいスライドタイトルとスライドメッセージをつけることは、「一人歩きする資料」作りの第一歩といえるのです。
わかりやすいスライドタイトルのポイントは、「(1)短くまとめる」「(2)主張しない」「(3)体言止め、または名詞で終わる」「(4)主語を明確にする」の4つです。
- (1)短くまとめる
- スライドの内容を一瞬で理解してもらえるように、スライドタイトルは短く簡潔にまとめます。詳細な情報は、スライドタイトル以外の部分で伝えるようにしましょう。
悪い例:当社製品の売上数量推移(2021年1月~12月)
良い例:当社製品の売上数量推移
この場合は、集計期間「(2021年1月~12月)」はスライドの中で示せばOK。スライドタイトルからは外しましょう。 - (2)主張しない
- スライドタイトルには主張を入れないようにするのがポイントです。
悪い例:当社製品の売上数量の減少
良い例:当社製品の売上数量推移
悪い例では、「減少」という言葉に主張が含まれています。たとえ明らかに売り上げの減少が見えていても、「推移」という言葉をタイトルに使った方が客観的な分析を行ったように見えるため、スライドタイトルに適しています。 - (3)体言止め、または名詞で終わる
- 体言止めもしくは名詞で終わるようにすることで、1つ目のポイントとして挙げた簡潔さも実現できます。
悪い例:売上減少は3つの要因で説明できる
良い例:売上減少の3要因
悪い例の方が一見丁寧ですが、文章が長く冗長です。名詞で終わる形にすれば、簡潔でわかりやすい表現になります。 - (4)主語を明確にする
- スライドタイトルでは主語を明確にし、読み手が理解しやすくなるよう、スライド間でできるだけ主語をそろえます。主語がそろえば、2枚目以降のスライドタイトルの主語は省略可能になり、より簡潔にすることが可能です。主語が変わったら改めて明記します。
悪い例:
(スライド1)当社製品の売上数量の減少
(スライド2)当社製品の売上減少の3要因 →1と同じ主語「当社製品の」は省略できる
(スライド3)購買行動の変化 →2とは主語が変わったが、省略され、誰の購買行動か不明
良い例:
(スライド1)当社製品の売上数量推移
(スライド2)売上減少の3要因
(スライド3)顧客の購買行動の変化