情報収集は、まずは仮説を立ててから
前回までは、資料の目的を明確にした上で、それを相手にしっかりと伝えるために必要なスライドの構成やタイトルの付け方、スライドメッセージなどを決める手順をお伝えしてきました。ここからは、スライドの内容を根拠づけるために必要となる“情報収集”について考えていきましょう。
ここでいう「収集したい情報」とは、資料を読む相手に、スライドメッセージ、つまりスライド一枚一枚の主張を理解してもらうために必要となるデータや根拠のことです。ここではこれを「スライド情報」と呼びます。
「スライド情報」を集める際に最初に重要になるのが、一体どのようなものを集めればよいか、という仮説を立てることです。
「情報収集なら、まず資料をあたってみればいいじゃないか」と思われがちですが、どのような分野でも玉石混交の情報があふれているもの。手当たり次第で資料を探すと、時間ばかりがかかってしまいます。対して、仮説を立ててから情報収集を開始すれば、情報を効率的に集めて取捨選択することができ、時間の短縮にもつながります。
ただし、最初に立てた仮説のとおりにデータが入手できない場合ももちろんあります。そんなときは、仮説に修正を加えて他のデータを収集するか、スライドメッセージを修正して進めていくようにします。
なお、情報収集中、スライド情報の出所は必ず記録し、表計算ソフトなどで整理しておきましょう。データの出所がはっきりしない資料は、情報の信ぴょう性が低く、説得力が弱くなってしまいます。