どんな仕事も2種類のタスクに分けられる
多くのビジネスパーソンは、経験を積んでいくなかでポジションが上がり、責任も重くなっていきます。それに伴って、仕事の量も必然的に増えていくものです。第1回から述べている通り、すべての仕事を片付けながら残業をしないためには、ムダな仕事に時間を使わないことが重要です。
そのためには、自分の目の前にある作業が「必ずやらなければならないこと(Mustタスク)」と「やったほうが望ましいこと(Wantタスク)」のどちらであるかを、作業に取りかかる前にしっかりと見きわめて判断するのが重要です。
例えば、会議のための資料作成は「Must」である一方、Excelの機能を駆使して資料の見た目を美しくブラッシュアップする作業は「Want」です。同様に、会議の開催は「Must」で、会議のリマインドメールは「Want」となります。
「Must」か「Want」かの判断基準は、至ってシンプルです。「そのタスクをやめて困るかどうか」を考えましょう。
資料作成などに関して「丁寧に、完璧に仕上げるほうが見やすいに決まっている」と考える人がいます。この意見も決して間違いではありませんが、費用対効果に対する観点が欠落している、ともいえます。社内向けの資料を必要以上にきれいに作っても、会社の本業に与える影響は非常に微弱です。
さらに、仕事が遅い人のなかには、Wantタスクに時間をかけすぎてしまい、Mustタスクに手が回っていない人がいます。どんなにきれいな資料を作れたとしても、それが会議に間に合わなければ本末転倒です。業績アップや売り上げにつながらないムダな仕事となり、そういうことを繰り返している限り、いつまでたっても効率化は望めません。
第1回でも、効率化とは、「やめる」ことであると説明しました。Wantタスクに分別できたタスクは、積極的に「やめるべきこと」を探してみましょう。