連絡手段の優先順位、メールを一番にしていない?
「メールの処理に追われて次の仕事にかかれない!」
「メールでやりとりをしているうちに午前が終わってしまった……」
こんな経験をしている人は少なくないはずです。
私がコンサルティング業務で、ある会社の営業職の作業時間を分析した結果、メールに費やす時間が在社時間(外出を除く)の4分の1、管理職にいたっては3分の1にもなっていることがわかりました。きっと、あらゆる職場でも、驚くほど多くの時間をメールに奪われているに違いありません。
では、なぜビジネスパーソンは、それほどメールを多用するのでしょうか?
実際にオフィスで働く人たちに聞き取り調査をしてみたところ、2つの主な理由が判明しました。
1つ目は、相手と接しなくても済むため。
社内外を問わず、顧客であれ、上司であれ、対人接触は緊張を伴うものです。相手の反応が気になる交渉や報告などの場面において、「できれば直接的な対話は避けたい」という心理が働き、口頭や電話より、メールでの連絡を優先してしまうようです。
そして、もう1つは、「仕事をしている気」になるため。
電話連絡は、長引くと早く切り上げるように周囲から注意されかねません。しかし、メール作成に時間をかけていても、表面的には問題なく仕事をしているように見えるので、文句を言われることはまずないでしょう。自分自身もメールにたっぷり時間をかけたことで、どこか仕事をした気になってしまうのだと思われます。
前回お伝えした通り、連絡業務は多くの職種にとって「付随業務」です。自身の仕事としての価値を生むものではありません。
何かとメールを使うのをなんとなく習慣化してしまっている人ほど、自らの行動が、本当の意味で価値を生むもの、会社に貢献するものになっているのかを振り返るべきなのです。