紙ファイルの読みやすさを侮ってはいけない
例えば、上司から以前の業務に関する資料を用意するよう指示されたとき、プリントアウトしたものを持っていくのが当然のようになっているということはないでしょうか。本来なら、サーバーにアクセスして該当するフォルダを見つけ、その資料データのありかを伝えればいいだけの話では?と思ってしまいますよね。
ところが、ベテラン上司はなぜか紙のファイルを欲しがります。紙の資料をめくって読んでいる姿は、若手社員からすれば、「アナログ感全開」な印象かもしれません。もっと言えば、「時代遅れで非効率なやり方」に感じられてしまうかもしれません。
しかし、よく観察してみてください。紙のファイルを受け取った上司がパラパラと資料をめくったかと思うと、それをもとに部下に直ちに指示をしたり、すぐにあなたに質問を投げかけたりしてくるといった経験がある人も多いのではないでしょうか。
これはどういうことかといえば、「アナログ=非効率」と一概に決めつけられるものではなく、紙ファイルの書類が実は、デジタルデータに比べて「一覧性」の点で優れているという一例を表しています。
つまり、紙の資料なら素早く自由にめくり一気に何十ページも、時には何百ページも飛んで次々と目指す情報を感覚的に探すことができるのです。これに対して、デジタルデータだとサーバー内の該当するファイルを探して、目的の部分を見つけるたびにいちいちクリックして開かなければならず、手間がかかります。
特に調べものをする場合、一覧性に優れていることから、重要な箇所同士を手軽に行き来しながら確認しやすい紙ファイルは、デジタルデータよりも効率的といえます。