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市場規模も急速拡大中
知っておきたい「YouTuber」の仕組み。

世界最大級の動画投稿サイト「YouTube」は、世界中で幅広く浸透して
いるプラットホームです。近年では、「YouTuber(ユーチューバー)」
という言葉も市民権を得るようになってきました。
いまや芸能人並みの知名度がある人も増え、彼らの動画へのアクセスの
多さを利用したビジネスが活況を呈しています。
そこで今回は、YouTuberの成り立ちや、収入を得る仕組みなどを詳しく解説していきます。

「YouTuber」には
実は公式な定義が存在!

ここ数年、「YouTuber」という存在が一般的な職業として多くの人に認知されるようになってきました。例えば、2019年3月に大谷大学教育学部が幼稚園児・保育園児または小学生の子どもがいる20歳~59歳の男女1,000名を対象に実施した「幼児教育・小学校教育に関する保護者の意識調査」ではこの傾向が顕著です。

これによると、「自分の子どもが『将来就きたいと思っている職業がある』」と回答した人(503名)のうち、子どもの就きたい職業第2位(8.2%)となったのは「YouTuber」でした。さらに、小学4~6年生の男子に限ると1位(20.9%)と圧倒的な数字になっており、今の子どもたちにとってYouTuberがいかに身近な憧れであるかが分かります。

このように多くの人が知るYouTuber(またはTuber)という言葉ですが、YouTubeでは「オリジナルの動画や音楽コンテンツを制作して YouTube にアップロードしている人を指す」と明確に定義しています。YouTuberは、YouTubeで収入を得ている人のみを指しているわけではありません。

また、他の動画プラットホームのみに投稿している人をYouTuberと呼ぶことや、第三者が動画シリーズ、書籍、番組などの正式名称に「YouTuber」という言葉を使用、またはこの単語を含むドメイン、チャンネル名、商標を登録することを禁止する、といった規定も明示されています。

YouTuberの収入の仕組みって?

YouTuberが動画をアップロードしてYouTubeから収入を得るためには、2020年7月時点で以下のような方法があります。

まずは広告収入です。YouTubeで動画を見る際には、数秒間の広告動画が流れたり、動画の下や横に広告が表示されることがあります。これらの広告の再生回数等に応じてYouTuberに収入が分配される仕組みになっているのです。また、月額料金を払うことによって広告が表示されなくなるYouTube Premiumのユーザーが動画を見た場合は、その利用料金の一部が分配されます。

次に、チャット欄に任意の額のお金を乗せて投稿できるコメント「Super Chat」、同様にお金を乗せて送れるステッカー(スタンプ)「Super Sticker」という機能があります。これは主に生配信放送で利用され、視聴者が直接YouTuberにお金を渡せるため「投げ銭」と呼ばれることも。ただし、この機能を利用するにはチャンネル登録者数が1,000 人以上いる必要があります。これらの売上の30%は手数料としてYouTubeに納められる仕組みです。

また、チャンネル登録者数が1万人以上の場合は、TシャツやCDといったオリジナルグッズの販売をYouTubeの機能を利用して行えます。さらに、チャンネル登録者数が3万人以上いる場合、視聴者が毎月一定の料金を払うことによって好きなYouTuberを支援できる「YouTubeチャンネルメンバーシップ」という仕組みも利用可能。さらに、特に人気のYouTuberは、企業から依頼を受けてタイアップ動画を作成して報酬を得たり、動画内でアフィリエイトや、自社商品の販売、自主企画イベントなどを行ったりと、他にもさまざまな収入の道があります。

ただし、上記のような収益を得るためには、まず「YouTube パートナー プログラム(YPP)」に申し込み、参加を認められることが必要です。この参加には現在、チャンネル登録者数が1,000人以上かつ、公開している動画の総再生時間が直近の12カ月で4,000時間以上という厳しい条件が課せられており、多くのYouTuberはこの条件を満たしておらず、収益を受け取ることができていません。

また、収益を受け取れるようになったとしても、多額の収入が一気に得られるわけではありません。時期や広告の種類等によって異なりますが、広告収入として得られるのは1クリックにつき0.1円以下と言われています。職業としてのYouTuberは狭き門なのです。

※チャンネルとは、自分の動画をアップロードできる場所のこと。他のユーザーは「チャンネル登録」をすることにより、最新動画がアップされた際などに通知を受け取ることができる。

YouTuber、そして動画メディアは
これからどうなる?

職業としてのYouTuberが生まれたのは、「YouTube パートナー プログラム(YPP)」がスタートした2007年(日本では2008年)といわれています。それから市場規模は大幅に拡大。2015年から2017年のわずか3年で約7倍に拡大したとしている調査もあります。

総務省の「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、平日の動画系メディア平均利用時間を世代別に比較すると、10代のネット系動画視聴時間は62.8分。テレビ系動画視聴時間の83.3分に迫る勢いとなっており、逆転する日も遠くないかもしれません。

平成30年度 平日1日の動画系メディアの平均利用時間(全年代・年代別)
総務省「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より作図

このような状況なので、企業や広告代理店も特に若年層に強い広告媒体としてYouTubeに注目しており、前述したようにYouTuberとのタイアップ企画も増えています。今後は若年層以外の世代に向けた企画も増えていくことでしょう。企業や自治体の広報担当自身がYouTubeに動画をアップし、話題を呼んでいる例もあります。

もちろん世界で利用されている動画投稿サイトは、YouTubeだけではありません。日本では、YouTuberが一大ムーブメントとなる前から「ニコニコ動画」が大きな存在感を発揮してきました。世界的には「Dailymotion」や「Veoh」、「优酷(YOUKU)」といった老舗サービスも現存。最近では月間アクティブユーザー数が5億人を超え、若年層に人気の「TikTok」等、スマホ向け動画プラットホームも存在感を増してきています。

2020年から、次世代通信規格の5Gのサービスもスタートしつつあります。これによって従来よりも高画質な動画をストレスなく視聴することが可能になり、今後もますます動画コンテンツの需要は高まると予測されます。YouTubeはもちろんそれ以外の動画メディアの存在感もますます高まっていくでしょう。今後とも注目していきたいものの一つです。

「YouTuber」の活動を支援する富士フイルムの製品

  1. シネレンズ
    「フジノンシネレンズ」は2002年に誕生して以来、さらなる高画素・高画質化に伴い、ワンランク上の光学性能を持ったレンズニーズにこたえるための技術を充実させています。フジノンシネレンズにより、撮影者はより人々の感情を表現することができ、新しい映像の世界を創造する可能性を探ることができます。
    シネレンズ製品情報
    業界待望のレンズに映るのは、映像文化の新世紀!!

記事公開:2020年8月
情報は公開時点のものです