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数百年前にも通じる投資の新基準!?
「ESG」ってなに?

これからの企業や国の動きを語る際に、「ESG」という
単語が使われることが増えました。
投資の判断基準としても世界的に重要になっている
この言葉には、どういった意味、来歴があるのでしょうか。
関連する現在の世界の動きなども含めて解説します。

「ESGの3要素」について解説。
SDGsとも関係が?

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉です。2015年に国連で採択された、SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定(2020年以降の温室効果ガス排出量削減等のための新たな国際枠組み)とともに注目されています。

社会や企業におけるESGへの具体的な取り組みにはいったいどのようなものがあるのか、それぞれ見てみましょう。

環境(Environment)
地球温暖化対策、CO2排出量削減、廃棄物削減、フードロス削減、省エネ・節水、自然環境・生物多様性の保全など
社会(Social)
人権の尊重、安全・安心・快適な社会構築、地域社会への貢献、ダイバーシティ&インクルージョン
ガバナンス(Governance)
法令順守、社外取締役の独立性、情報開示、公正な競争・透明な経営、株主保護、説明責任強化など

これらの具体的な取り組みから分かるのは、ESGとSDGsに密接な関係があることです。SDGsは17のゴールで構成された国際目標で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すもの。企業が積極的にESGに取り組むことで、SDGsの実現にもつながると考えられます。

また、実はESGが非常に重要視されているのは、投資家の判断基準の一つになっているからでもあります。大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、従来の財務情報だけでなくESGの要素を考慮した「ESG投資」が広がっています。投資家は「業績を上げている」「財務状況が良い」といった点だけでなく、「地球温暖化対策」「人権の尊重」「ダイバーシティへの取り組み」「法令順守」などESGへの取り組み姿勢も考慮し、投資先を判断するようになっているのです。このようにESGの観点は、企業にとってこれからの持続的成長に欠かせないものとされています。言い換えれば、ESGの観点が低い企業は、持続的な成長が望めないともいえるかもしれません。

※ダイバーシティ&インクルージョンとは、性別、年齢、障害、国籍、価値観、それぞれの個を尊重し、生かすこと

ESG投資の歴史とは。
起源は400年前という説も!?

そもそも、ESG投資という考え方はいつ、どこで生まれたのでしょうか。
今から約100年前、1920年代の米国でのキリスト教教会による資産運用は、教義に反するタバコやアルコール、ギャンブルに関わる企業を投資対象から除外していました。このように、特定の倫理観や価値観に基づいて投資対象を決めたことで生まれたとされるのが、ESG投資の原型とされるSRI(Socially Responsible Investment)です。

SRIとは「社会的責任投資」を指す言葉です。これは、投資対象を選ぶとき、企業の成長性や財務の健全性などだけでなく、企業の社会的責任を意味するCSR(Corporate Social Responsibility)も考慮することをいいます。

SRIの誕生は、300年前、もしくは400年前にさかのぼるという説もあります。
一つは、17 世紀、英国におけるキリスト教プロテスタントの一派で、禁欲的な生活を送ることを教義とするクエーカーの創始者ジョージ・フォックスが示した規範が始まりという説。また他に、18世紀、当時の英国国教会の形骸化した教義などに反対して起こったメソジスト運動の指導者ジョン・ウェスレーが、説教集の中で「商業活動をする中で人を害してはならない」と唱えたことが始まりという説もあるようです。

こうしたSRI が大きな広がりを見せたのは、1990年代とされます。このきっかけとなったのが地球環境問題に対する意識の高まりです。日本でも環境事業を進める企業に投資するエコファンドや、雇用における女性活用など、CSRを主眼に投資対象を選ぶSRIファンドが誕生していきました。さらに時代が進むにつれ、投資先を選ぶ際の明確な基準として「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」という3つを明示した「ESG投資」という名称が使われるようになったといわれています。

企業のESGへの取り組みは、2015年がターニングポイントになります。

それは同年、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において京都議定書に代わるパリ協定が採択され、国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたからです。

これを契機に、企業のESGへの取り組みは加速。さらに、環境負荷が低くフェアな労働環境のもとで作られた商品を選ぶ「エシカル消費」や、地球環境への負荷の少ない商品を選ぶ「エコ消費」の動きも広がりました。

このような変化を受け、企業にとってESGに取り組むことは大きなメリットであると同時に、投資を呼び込む観点からも必要不可欠なものになったのです。

日本でのESG投資の進展はまだまだ?
これからの飛躍に期待大!

ESGの先進国とされるのが米国、そして欧州連合(EU)です。

特に、EUでは2021年3月、ESGの観点から金融商品の特性の評価・開示をファンドマネジャーに義務付けるサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)の適用が開始されました。これは、ESG投資とそうでない投資を明確に区別し、責任ある投資を拡大するための取り組みといわれています。

世界のESG投資額の統計を集計しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)のレポートによると、2018年のESG資産保有残高を日欧米で比較した場合、ヨーロッパ14兆750億ドル、米国11兆9950億ドルに対して、日本はわずか2兆1800億ドル。なんと欧米の1/6ほどの規模です。

この数字を見ると、日本でのESG投資の存在感は薄いような印象を受けますが、日本でも確実に広がりつつあります。

実際に、前述したESG資産保有残高の2016年から2018年への伸び率を比較すると、ヨーロッパが約17%、米国が約38%でしたが、日本は約700%と、飛躍的な伸びを示しているのです。

地域別ESG資産保有残高
【出典】財務省広報誌「ファイナンス」2020年1月号より作図

このように、日本でもとりわけ投資の分野でESGが重要視されてきていることは確かです。2015年には、投資にESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる「国連責任投資原則(PRI)」に、日本の公的年金積立金の管理、運用を行っている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名。さらに、環境省は2021年4月、「ESG地域金融実践ガイド 2.0」を公表しました。その目的は、公的資金だけでなく民間資金も導入し、地域の環境課題と経済・社会的課題の同時解決を図ることにあるとされ、その中心を担うのは地域金融機関とされています。

また日本企業においても、原料調達のフェアトレードや環境に配慮した独自成分の開発など、ESGに取り組んでいる例が増えてきています。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、持続可能な社会を前提に経済活動が営まれているという私たちの認識を改めて強くしました。今後、ESGへの取り組みやESG投資の規模が、さらに進展、拡大していくことは確実といえるでしょう。

「ESG」への富士フイルムの取り組み

  1. 持続可能な社会への取り組み
    富士フイルムグループの考えるCSRとは、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業理念を実践することにより、社会の持続可能な発展に貢献することです。
    持続可能な社会への取り組み
  2. ESGの取り組み
    富士フイルムグループは、事業活動を通じて「新たな価値」を創造することで、社会課題の解決に取り組み、サステナブル社会の実現に貢献していくことを目指し、CSR計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」および中期経営計画の達成にグループ全体で取り組んでいます。
    ESGの取り組み

記事公開:2021年5月