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コロナ禍で注目される、新しい購買体験
ライブコマースの光と影。

コロナ禍による巣ごもり需要で、高齢者を含む幅広い世代で
ネットショッピングが拡大しています。それに合わせて
今後増えると期待されている新たな販売手法がライブコマースです。
ライブコマース先進国といわれる中国の現状を見ながら、
日本でのライブコマースの未来を考えてみましょう。

信頼する人の顔を見て買う安心感がウリに!
ライブを楽しむ、新しい購買のかたち

近年、ネットショッピングの利用が拡大しています。総務省統計局「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯)-2021年(令和3年)4月分結果-」によると、2020年の5月以降、2人以上の世帯では半数以上がネットショッピングを利用するようになりました。コロナ禍の緊急事態宣言により、自宅で過ごす時間が増えたことも拡大のきっかけと考えられます。

また、総務省統計局「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング-家計消費状況調査の結果から-」によると、コロナ禍の時期を境に、世帯主の年齢が65歳以上の世帯でも、3割以上がネットショッピングを利用するようになったこともわかりました。

ネットショッピング利用世帯の割合の推移(2019~2021年)
【出典】総務省統計局「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング-家計消費状況調査の結果から-」より作図

このように幅広い世代で普及が進むネットショッピングの中で、最近注目されているキーワードが「ライブコマース」です。ライブコマースとは、商品をすすめる配信者と視聴する消費者がコミュニケーションを取りながら商品を購入する仕組みです。一見TVショッピングに似ていますが、商品に対する消費者の質問に配信者がリアルタイムで答える点が新しく、消費者は臨場感と納得感のある購買体験ができます。

ライブコマースでは、SNSで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーや、ファンが多いタレントがアプリ上でライブ配信を行います。ライブコマース先進国の中国では、SNS「微博(Weibo)」で8000万人以上のフォロワーを持つ芸能人を起用し、2時間で1万本の口紅を販売した事例が注目されました。中国のライブコマース市場の規模は、2021年には2兆元規模まで成長するという予想も出ています。

販売側としては、ライブコマースで特定の消費者カテゴリに大きな影響力を持つインフルエンサー(KOL:Key Opinion Leaderとも呼ばれます)を起用することで、従来のマス・コミュニケーションでは到達できなかった、新聞、雑誌、テレビをあまり見ない若年層などを中心とした新たな購買層にアピールし、商品の魅力を伝えることができます。またオンラインで消費者と交わされたコミュニケーションを分析し、商品開発に生かすこともできるなどさまざまなメリットがあります。

ネットショッピングの拡大が市場をけん引?
日本のライブコマースの現状とは

日本のライブコマース市場を見てみましょう。日本では、2018年頃から動き出し、すでにいくつかの企業がライブコマースに着手しています。百貨店は注目のお歳暮やお中元商品を紹介、化粧品メーカーは美容コンサルタントが新商品の特徴を解説、アパレルメーカーは自社ブランド製品の最新トレンドをプレゼンするなど、さまざまな業界でライブコマースが行われています。

同時に、ライブコマースを取り巻くビジネス環境も、日本国内で整いつつあります。グローバルではGoogle、Amazon、Facebookの3社がライブコマースサービスを提供しています。国内では大手ECモールにライブ配信機能が付加され、出店している企業がライブコマースに参入しやすくなりました。また、自社で運営するECサイトに組み込めるサービスも生まれています。

日本国内のライブコマースの認知度はまだ発展途上です。しかし冒頭で触れたように、コロナ禍でのネットショッピングの拡大とともに、従来のECサイトとは異なる、新たな購買体験をもたらすライブコマース市場が日本でも形成されていくかもしれません。

市場の急拡大とともに、消費者トラブルも続出!?
中国ではライブコマース規制の動きも

消費者の心をつかむことで、企業に大きな利益をもたらすライブコマースですが、中国ではトラブルも報告されています。消費者庁が2020年7月に発表した「ライブコマースの動向整理」によれば、中国でライブコマースを利用した37.3%の消費者がなんらかのトラブルに遭遇。当局には「配信者は商品を試用していないのでは」「配信中に紹介されていた商品と異なるものが届いた」といった苦情が記録されています。

こうした事態を受け、中国広告協会は2020年からガイドラインによる規制を実施しました。また2021年5月には「国家ライブコマース管理弁法」も施行され、虚偽の商品情報、誇大広告、サクラ、低評価や不利なコメントの削除が違法行為になりました。急拡大を遂げる巨大なライブコマース市場の中で、売り上げを求めるあまりの不適切な行為により消費者の信用を失う事例が懸念されていることがわかります。

新しい購買体験であるライブコマースは、その大きな可能性から世界中で注目されています。しかし、これまで同様、企業と消費者の間に信頼関係がなければビジネスは継続していきません。ライブコマース市場の拡大が期待される日本では、新しい販売手法を取り入れながらも、自社ブランドを大切に育てながら成長していく、大胆かつ慎重な姿勢が求められているといえるでしょう。

「ライブコマース」を支援する富士フイルムの製品・技術

  1. シネレンズ
    「フジノンシネレンズ」は2002年に誕生して以来、さらなる高画素・高画質化に伴い、ワンランク上の光学性能を持ったレンズニーズにこたえるための技術を充実させています。フジノンシネレンズにより、撮影者はより人々の感情を表現することができ、新しい映像の世界を創造する可能性を探ることができます。
    シネレンズ製品情報
    業界待望のレンズに映るのは、映像文化の新世紀!!

記事公開:2021年7月