時間を忘れて没頭する 「フロー状態」とは?
日々の業務の中では、さまざまなタスクが発生します。しっかりこなそうとするほど、「やらなければ」と焦り、「うまくいかないかもしれない」という不安に陥るかもしれません。焦りや不安といったマイナス思考を排除できれば、よりタスクに集中でき、限られた時間を有意義に使えるのではないでしょうか。
そこで今回お伝えしたいのが、集中力の最高到達点ともいえる「フロー状態」です。時間を忘れ、ひたすら目の前のことだけにのめり込むことを指します。これはハンガリーの心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏が提唱した言葉で、没頭しているときの感覚がまるで「川の流れに乗っている感覚」に似ていることから、水の流れ・フロー(flow)と表現したのです。
アメリカのジャーナリスト、スティーブン・コトラー氏と、パフォーマンス専門家のジェイミー・ウィール氏が行った研究によると、フロー状態になると「集中力が極限まで高まり、ほかの物事への意識が消え失せる」「心身両方のパフォーマンスが限界を超えて高まっていく」そうです。また、人間らしい思考や判断、記憶、感情を司る脳の前頭前野の働きが抑えられるといいます。その結果、集中を阻害するマイナス思考や不安感が起こりにくくなるのです。