とても簡単な方法を教えましょう。
それは、「単語の頭で息を強く吐く」こと。
たったそれだけです。
長い文章を読んだり、長く話し続けたりするときでも、この方法なら腹式呼吸を持続させることができます。
テレビでアナウンサーがニュースを読んでいる場面をよく観察すると、読み始めから終わりまで、ほぼ一定の強さで声を出していることが分かります。
同じことを一般の人がやってみると、意味のないところで力んだり、最後まで息が続かなくて声が弱くなったりと、なかなか安定しません。
長い文章を一気に話そうとするため、どうしても途中で不安定になってしまうのです。また、日本語は胸式呼吸になりやすく、吐く息の量も少なくなるため、安定した声を出しにくくなります。
一定の声の強さで話し続けるには、一つひとつの単語あるいはフレーズを意識して、はっきりと発音する必要があります。
それを可能にするのが、「単語(またはフレーズ)の頭で息を強く吐く」という方法なのです。
日本語の単語は、2文字から6文字で構成されているものが多いです。その最初の文字で強く息を吐くことで、後に続く息をコントロールしやすくなります。
そうすれば自然と腹式呼吸になりやすく、一定の調子で話せるようになります。
では、実際にやってみましょう。
「いつも お世話に なって おります」
「また ぜひ さんか させて ください」
「ご提案 させて いただきます」
「太字・下線」の付いたところで、息を強く吐きます。
話しているときに、口から0.5~1cmくらい離したところに手を持ってきてみてください。単語の頭を発声したときに、息が少しでも感じられるようであれば、腹式呼吸ができている証拠です。
もし息が感じられなかったら、胸式呼吸寄りになっているので、もう少し強めに息を吐くようにしてみましょう。
はじめはぎこちないかもしれませんが、自然にできるようになると相手が感じる印象は大きく変わってくるものです。会議や商談のときだけでなく、普段のあいさつや自己紹介のときでも、この方法は効果的です。